もっと自分を信じて 歌詞太郎end ページ20
「どうぞ、歌詞さん。」
いつもの笑顔とは違う、自信のなさそうな不安な表情を浮かべている。
2匹も一緒に抱いて。
「助けに来てもらってありがとうございました。
相談しなくてごめんなさい。」
「いいんだ。
Aちゃんが考え抜いた答えなんだから、自信持って。
助けられて本当に良かった。」
ふにゃと力の抜けたような笑顔を見せてくれる。
本当に、迷惑かけてばっかりだ。
「でもね、またあんな事しないか心配で夜も眠れないんだ。
だから、これからずっと僕僕たちと一緒にいてください。」
みみと本を顔の前に抱いて、2匹の手を動かしながら言うなんて…。
抱いていたみみとぽんを下ろして、手をギュッと握りしめる歌詞さん。
「歌詞、さん。」
「歌詞さんもやめて。
歌詞太郎って、呼んで。」
握る手には一層力が入って、手がどんどんと暖かくなる。
「私みみとぽんと歌詞太郎と一緒にこれからずっと先も居たい。」
「いいって、こと？」
自分で言ったのにオロオロしすぎでしょ、歌詞太郎。
「そうだと思わないならそれでいいけどね。」
「ちがっ、本当に僕でいいの？」
今度は泣きそうな顔で。
「いいって言ってるでしょ。
私の好きな人のこと卑下しないで。」
今度はパーっと幸せそうに笑う。
「絶対幸せにします！」
「お願いしますね。」
オロオロしたり、不安な顔したり、笑ったり忙しいね。
でもそんな歌詞太郎が大好きです。
さて、仕事に行こうかな。
懐かしいアルバムをパタッと閉じた。
「歌詞太郎、行ってきます！」
「行ってらっしゃい！」
「ママ、行ってらっしゃい！！」
「「にゃ、にゃー。」」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空白（そらしろ） | 作成日時：2015年9月18日 20時
