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駅周辺にある歓楽街のホテルに入り、私は友達の家に泊まることになったと母親に電話した。
私が電話してる隣で、潤くんはベッドに寝転がってる。
スマホを置くと、彼が「大丈夫だった？」と心配そうに顔を覗き込んできた。
「大丈夫、信じてくれた」
「何か罪悪感」
「ホントに？」
「当たり前」
じゃれ合うみたいにベッドに崩れる。
軽くキスされて、また耳が心臓と一緒にジンジンする。
頭がぼぉっとしてくる。
「そう言えば、生田くんって元気？」
「え...元気、なのかな...？」
急にそんな事を言われると、また喋ってるとか言えなくて曖昧に誤魔化した。
友達だし悪い事をしてる訳じゃないけど、やっぱりあの日の生田くんの表情が忘れられない。
「生田くん、格好良かったから心配なんだけど」
「...生田くんはそんなんじゃないよ...」
「どうかな」
潤くんが、いつものように私の首筋に唇を付けた。
「あっちがどう想ってるかなんて、Aには分かんないよな」
「...でもホントに生田くんは無いって...」
「まぁ、別に生田くんだけじゃないけど」
「.....」
「俺以外の男にAを見られんのも、本当は嫌なんだけど」
首に走った、今までに感じた事の無い痛み。
噛まれたんだって気付くまでに、少し時間がかかった。
「俺のなのに」
首筋から彼の唇が耳朶に移動して、軽く触れる。
熱を持った耳朶が痛い。
「Aを誰にも見せたくないし、誰の事も見て欲しくない」
「.....」
「Aの目が俺しか見えなくなったら良いのに」
そう言って笑いながら、潤くんは私の目を掌で覆い隠す。
「俺、綺麗な物を見たら汚したくなるんだ」
「...え」
「水溜りを踏んで水面の青空を濁らせるのが、子供の頃から好きだった」
「........」
「汚れる度に『綺麗だ』って思う」
視界を奪われた世界で潤くんの声が耳から滑り込んで来る。
「A、綺麗」
「......」
「もっと綺麗になってよ。俺が汚してあげるから」
真新しい穴が開いた耳朶の淵を、彼の舌先が這った。
「ねぇ、A。次は何する？」
生田くんや担任が言いたかった事、本当は分かってる。警告だ。
だけど、分からない振りをしたのは何も聞きたくないからだ。
だって、私も綺麗なものが歪む瞬間が好きだから。
視界を遮ってた掌をそっと外すと、彼が微笑んでる。
キラキラの太陽が歪む瞬間を、私だけが知ってる。
あぁ、綺麗。
私は痛む耳を愛おしく感じながら、また、目を閉じた。
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みみ - reiさん、つむさんこんばんは。reiさんのお話が好きでこちらにもお邪魔させてもらいました 。どのお話もとても素敵で、繋がりも感じられて、読み終わった時どこか切なくても大切な何かが残っている気がしました。また次のお話を楽しみにしています。 (2019年4月5日 16時) (
レス) id: 4269c85d7b (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - reiさん、つむさんこんばんは。reiさんの大ファンでそちらよりお邪魔しました。つむさんは初めましてかな？とっても素敵なコラボ作品をありがとうございました。つむさんの作品も読みたいのですがどうやって探そう… さ、まずはダカーポしてきます。 (2018年7月19日 0時) (レス) id: 7382a51a30 (このIDを非表示/違反報告)
さら☆(プロフ) - reiさんとつむさんの大好きなお二人による作品！また大好きなお話が増えました。期待通りに戻って読み返すマニュアル通りの私！笑リンク部分は、嬉しく、そして最後に眼鏡をかけてる相葉先生！もしかして彼女に気を遣い？なんて☆また同企画がありましたら嬉しいです！ (2018年7月12日 3時) (レス) id: 1078765f1f (このIDを非表示/違反報告)
2038(プロフ) - とっても面白かったです(^^)全てのお話が繋がってて最後まで読んで、ぁあこういうことか！驚きました。二宮くんにも是非幸せになって欲しいですね! !続きがいつか読めたらいいなと密かに楽しみにしてます。 (2018年7月9日 21時) (レス) id: c512e9cb5a (このIDを非表示/違反報告)
めいぷる(プロフ) - とても良かったです！！！！！最後に繋がって無限ループ！！二宮担的には二宮さん幸せになって欲しいけど、ニノちゃんの恋が切なくて似合ってる！とも思ってます。黄田ちゃん諦めないで！！ (2018年7月7日 17時) (レス) id: ae3f3fc11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rei
x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2018年5月14日 16時
