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坂田「また…あの綺麗な歌声を
聴かせてよ…。」

坂田は焦点の合っていない目で
ゆらゆらとこちらに近づいて来る。

超学生「Aちゃんは僕のなんだ…!!
やめろやめろやめろやめろやめろ
やめろやめろ……!!近づくんじゃねぇ…!」

坂田の方へ凜空くんが
這いつくばったまま手を伸ばす。

坂田は表情こそそのままに
凜空くんの手を踏んだ。

超学生「があっ…!!くっそくそくそ……!」

凜空くんは頭を殴られた衝撃で大きな声も出せず、
立ち上がることも出来ないようだった。

坂田「ねぇ、何を歌ってくれるの?
やっぱり綺麗な声を生かせる曲がいいよね!!」

凜空くんの手をぐりぐりと踏みにじりながら
笑顔で続けた。

私はその光景に耐えられず
坂田に殴りかかった。

『足どけろやクソが!!!』

ひょいとかわされ殴った先はレンガだった。

拳の砕ける音が聴こえた。

『うっ……ぎっああ……いってぇ…。』

坂田はレンガを興味の無いように
ぽいっと捨てて歩み寄ってきた。

坂田「しー。喉が潰れちゃう。」

小さい子供を相手にするかのように
人差し指を口にあてた。

『助けて……凜空くんを助けて……。』

凜空くんは血を流し過ぎたのかさっきから動かない。

『お願いだから……。』

そこまで言うと坂田は私の頬を殴った。

坂田「うるさいな、黙れよ。」

坂田は皆と違って私の声にしか
興味が無いようだ。

坂田「手足チョンパするかな…、
そっちの方が楽か。」

ああ、ここで終わりかもしれない。

そう思った突然、誰かが坂田を蹴り飛ばした。

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作者名:being | 作成日時:2020年1月25日 10時

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