食事 ページ40
美波「...翼さん...」
貴「ん?」
美波「これで、ラーメン屋とか行けなくなっちゃった」
貴「だな」
2人が本気で盛り上がってセレクトした服装はフォーマル寄りになってしまい、結婚式の二次会程度なら出席しても違和感ないのではという仕上がりになっていた。
美波「高級フランス料理のレストランとか居そうな自分を初めて見た...」
貴「お...おぉ...」
美波「あ!違う!!違うから!ちーがーうー!!そんな貢がせる女とかじゃないから!!」
ショーウィンドウのガラスに映る自分を見て照れ笑いを浮かべるが、その後ろで苦笑しながら財布を見ている翼に美波は慌てて振り返って翼の胸を叩く。
貴「いや、今のは確実にフリじゃん」
美波「じゃあ、服とヒール買ってもらったから、美波が払う!そうしよ!?決まり!」
翼が震えた手でクレジットカードを取り出そうとするが、美波は力づくで押し戻してから翼の手を引いて車へと歩き出した。
店を出た後
美波「ずるい」
貴「なにが?」
フランス料理が楽しめる店で夕食が済み、車で自宅まで送っている途中、不満げな美波がポツリと呟く。
美波「知り合いのレストランでツケとかずるい!」
貴「ふっふっふ。大人の余裕を見せつけてしまったな」
美波「翼さんに付き合ってもらってるのに美波が払ってもらうのおかしいってば!」
貴「こらこらこら、今日はデート。男の甲斐性見せつける場だから良いの」
翼が会計の際に微塵も動きを見せないのは怪しいと思ったが、食後に翼に手を引かれて当たり前のように店を出てしまい、美波は目を細めて運転している翼の横顔を見つめる。
美波「何かお礼させて」
貴「ありがとうございました。今日は楽しかったです。また誘ってくださいね。で大丈夫だ」
美波「...ん〜...それやだ...」
貴「逆に、お礼断られるパターン。斬新だな」
大人の社交辞令を教えるが、美波は少し考えてから拒否するので翼は小さく吹き出す。
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ま - 面白いです!続きが気になります! (2月15日 11時) (レス) id: 05eb6baf46 (このIDを非表示/違反報告)
な - 続き待ってます (2023年2月13日 19時) (レス) @page4 id: e8039f9ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:TSUBASA | 作者ホームページ:http://exiledaisuki0113
作成日時:2023年1月21日 18時