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思い詰め ページ37

予定を合わせた休日。



美波を車で迎えに行くが、プランは思い付かなかったと一言告げた後に美波は俯きながら助手席に乗ったまま黙り込む。




行き先も決まらぬまま、車は街中の高層立体駐車場を登っていた。




美波「翼さん、仕事...辞めるの?」



貴「...ああ」




屋上に到着し、車から降りた翼は風を感じながら街並みを見渡すと後ろからついてきた美波が呟くように声を掛けてくる。



美波「やっぱ...そうなんだ」



貴「正式な発表はまだだけどな」




風に靡く髪を耳に掛けた美波は俯いて自分の足元を見るので、翼はゆっくりと距離を詰める。



美波「翼さんが辞める理由…私のせいなんでしょ?」



貴「へ?」


近寄った名に涙を堪えた表情を見せた美波は震える声で言葉を絞り出すので、翼は思考が止まる。

美波「ずっと...ずっとずっとずっと考えた...でも...私さ...皆みたいに鋭くないし...分かんないよ...」


貴「ちょっ、美波?」



美波「私が辞める....から...翼さんは残って?...お願い...」



貴「待て待て待て、なんでそんな話」



美波「悪い事しても...どれが原因か分からなくて謝れないんだから仕方ないよ」



勝手に話を進め、自分の手を握りしめて額を当てながら弁明の言葉を並べていく美波に翼は手を振り解いて両肩へ手を置く。




貴「美波」



美波「翼さんの事、傷つけようとかそんな気持ちは無かったの」



貴「みーなーみー」




美波「それだけは信じてほしい」




翼と至近距離で見つめ合うと瞳に溜まった涙は頬を伝って零れ落ちるので、美波は身体を反転させて顔を隠そうとする。



貴「えぇい!人の話を聞けい!!」




美波「わっ翼さ...ん?」




後ろを向こうとする美波を無理矢理に止めて力強く抱き締めると目を丸くした美波はようやく翼の表情を見た。

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- 面白いです!続きが気になります! (2月15日 11時) (レス) id: 05eb6baf46 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き待ってます (2023年2月13日 19時) (レス) @page4 id: e8039f9ffd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:TSUBASA | 作者ホームページ:http://exiledaisuki0113  
作成日時:2023年1月21日 18時

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