乃木坂46のマネージャーは優しくて頼れる人 (ページ30)

今日:63 hit、昨日:26 hit、合計:13,906 hit

色気ページ30

二人でいる時間はあっという間だった。いつの間にか時計の針は12時を過ぎ、夜も深まった。酒が入っている梅澤も欠伸の回数が増えてきており翼は二杯目のジュースを飲み干して立ち上がった。

貴「そろそろ解散かな。風呂入って来るから、そのまま帰りな」

ずっと締めていたネクタイを解いてワイシャツを脱ぎ、仮処置だらけの身体が剥き出しになる。

美波「今夜はここで寝ます。女は一人じゃ眠れないんですよ？」

貴「ハァ、ベッド二つあるから使ってない方で寝ろ」

構わずバスルームに入った翼は、痛みに耐えながらも二度目のシャワーを浴びる。けれども汗もかいていないし汚れてもいないから、セットした髪を重点的に洗う程度でタオルに包まった。化粧水だけのスキンケアにドライヤーで雑に髪を乾かして彼のバスタイムは終わりである。

美波「私もお風呂入ってきます」

まさかとは思ったが、やはり梅澤は翼の部屋のバスルームに入った。こんな事もあろうかと、シャワー後に入念にシャワールームを綺麗にしておいて良かったなと翼は安堵のため息をついた。女の子の入浴音を聞きながらベッドに座るのは初めてだった。なんの期待をしてはいけないのに、どうしてもオスの部分が熱を帯びてしまうのを、翼は素直に受け入れている。やがてバスローブではなくバスタオルを巻き付けた梅澤が少し湿らせた髪を揺らしてバスルームから出てきた。

貴「色っぽいじゃん」

酒が入っていない翼は、平常心を保った声で梅澤に話す。

美波「翼さん、こっちの方が好きかと思って」

上気しているのは風呂上がりなのか、はたまた好意を寄せる歳上ギタリストに見られているせいなのか、梅澤には分からない。

貴「誘ってんの？」

美波「だったらどうしますか？」

ニヤッと笑う翼だったが、そこに嫌らしさは全くと言っていいほど無かった。それにつられ、梅澤も悪戯な笑みを溢す。そしてどちらからともなく、二人は抱き合った。命の危機を二人で脱した事も手伝って、二人はこのオーストラリアで関係を深いものにしていた。それはお互いが今の関係を望んでいるからだ。メンバーとスタッフ、メンバーとギタリスト、それもプライベートな部分まで踏み込めるようなより親密な関係。最後は梅澤が翼を求めてKISSをした。