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ギャング ページ25

晃汰と分かれた梅澤は一人で、オーストラリアの街でプレゼントを買おうと目論んでいた。サプライズで花束を貰ったことで決心した彼女は、あわよくば翼とお揃いの何かも同時に買おうと企む。だがここは海外、仕事で何回か異国の地を踏むことはあったが、それはスタッフが全てのサポートをしてくれていた。それ故に海外を一人で歩けるほど英語に明るくもなく、ましてや慣れているわけでもない。梅澤は知らぬ間に治安が悪いと噂されるエリア、廃墟のDowntownに迷い込んでしまった。すかさずスマホを手に取って晃汰にLINE電話をかけるも、更に不運が続く。

「What are you doing?」

背後から声をかけられ振り返ると、所謂ストリート系と括れるファッションで固めた黒人が二人、こちらを嫌らしい眼で見ている。

美波「え...?え…!?」

一瞬にしてパニックになってしまった梅澤は、中学レベルの英語どころか日本語でさえもまともに話す事ができなくなってしまった。そこから梅澤が連れ去られるのは、時間にしてもあっという間だった。だが、最後に梅澤は電波の向こうの晃汰に向かって声を吹き込む。

美波「翼さん、位置情報」

走りついた場所には既に梅澤の姿はなく、一旦ホテルに戻った晃汰はクルー達には報せず、緊急事態の為に常備している諸々をバッグに詰め込んで車に飛び乗った。打ち上げパーティーの開始にはまだ充分時間があり、何とか梅澤を無事に救出してパーティーに参加させてやりたい、その想いが晃汰を突き動かす。レンタカーのエンジンを始動させた晃汰は、ふざけた運命を追い越す為に月を睨んでアクセルを踏んだ。

 これほど文明の利器に感謝したことはない。梅澤が最後に残したメッセージ、英語でGPSと言ってしまえば外国人にも分かってしまう。そこは頭を使った梅澤が、日本語でヒントを教えてくれた。現地の道交法など丸無視で、自身のスマホを片手に梅澤の位置を示すポイントに急いだ。

 梅澤のGPSが留まっている場所は、晃汰が最後に彼女を見たポイントからはあまり離れておらず、徒歩でも頑張れば行けそうな距離だった。

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- 面白いです!続きが気になります! (2月15日 11時) (レス) id: 05eb6baf46 (このIDを非表示/違反報告)
- 続き待ってます (2023年2月13日 19時) (レス) @page4 id: e8039f9ffd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:TSUBASA | 作者ホームページ:http://exiledaisuki0113  
作成日時:2023年1月21日 18時

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