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すると、今の今まで見開いていた眼を閉じて梅澤の額に優しくキスをすると、翼は胸の部分だけがブラによって隠れた彼女の身体に布団をかけた。訳が分からなくなって固まる梅澤にベッドから立ち上がった翼は口を開いた。
貴「怖かったか?」
服についた埃を叩く翼に、梅澤は焦点を合わせる。唇の震えはとっくに止まっていた。
貴「乃木坂の連中は誰一人を取っても、一般人とは比べものにならん程綺麗で可愛く美しい。そんな女が目の前であられもない姿で虚な眼をしていたら男の俺はどうなると思う?」
再び二人用のソファに腰掛けた翼は遠くのベッドの中で、なぜか胸元を布団で隠す梅澤を見る。
貴「俺はメンバーの写真集の撮影は全部、撮影場所に顔を出すのを自主的に控えてる。皆そう。美波だけじゃない」
言い切ると翼は立ち上がり、小さな冷蔵庫で冷えてる天然水のボトルを手に取り、一口飲んだ。本人の知らぬ間に口が乾いていたのだ。ボトルを元あった通りに冷蔵庫にしまうと、翼はベッドの脇に落ちている梅澤のシャツを拾い上げて彼女に手渡した。
貴「こうなる恐れがあるから、お前達の水着姿を見たくないんだよ」
苦笑い混じりで話す翼だったが、首に腕を回されて体重をかけられてしまえば、重力に従って梅澤の上に落ちるしかなかった。
美波「怖かったですけど、違う意味でもドキドキしてましたよ?やっと襲ってくれるんだって」
しっかりと翼の頭を抱き込む梅澤は、うっとりとした顔と口調である。すぐに起き上がって衣服を整える。
貴「またすんぞ」
勿論そんなことは思ってもいないし翼が冗談で言っているのも梅澤は分かっていた。適当な捨て台詞のつもりだったが、梅澤は笑顔で晃汰に言い返す。
美波「翼さんならいいですよ」
貴「お前なぁ。
てか、さっさと部屋に戻れ」
頭がお花畑の奴には何を言っても通じない翼はやれやれと肩を落として梅澤をドアへと向かわせた。
貴「ちゃんと部屋の鍵閉めとけよ」
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ま - 面白いです!続きが気になります! (2月15日 11時) (レス) id: 05eb6baf46 (このIDを非表示/違反報告)
な - 続き待ってます (2023年2月13日 19時) (レス) @page4 id: e8039f9ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:TSUBASA | 作者ホームページ:http://exiledaisuki0113
作成日時:2023年1月21日 18時