乃木坂46のマネージャーは優しくて頼れる人 (ページ19)

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追い討ちページ19

宿泊先のホテルに着き
ぶっきらぼうに翼を中へ入れると、二人がけのソファに座るよう促す。続いて梅澤自らも、テーブルを挟んだ反対にある一人がけのソファへ腰掛けた。

美波「なんで私の撮影に来てくれないんですか？」

開口一番、余計な小細工など無しに梅澤は思いの丈を素直に翼にぶつける。

貴「なんでって言われても...」

首筋に手をやりながら困った表情を浮かべる翼に、梅澤はさらに追い討ちをかける。

美波「初日はあんなに楽しくご飯食べたのに、なんでそんなに急に冷たくなっちゃったんですか？私、何か悪いことしましたか？」

あくまでも淡々と言葉を並べるが、彼女が怒り心頭なのは汲み取れる。さて、どうやって説明しようか。翼は脚を組むと同時に、両手も頭の後ろで組んだ。

貴「じゃあ訊くが、俺と美波とは幾つしか違わないんだ？」

美波「4個」

意外な翼の切り返しに、梅澤は彼から繰り出される問いに一問一答式で答えるしか他なかった。

貴「そう。そんな4個下の美人な同僚があられもない姿になっているところを、理性保って見てられるか？方や日本一のアイドルグループの片割れが、あと一枚脱がせば生まれたままの姿になるって時に、理性保てるか？」

答えることはできなかったが、段々と翼の考えている事が梅澤には分かるようだった。その憶測を話そうとした瞬間、目の前に座っているはずの翼が立ち上がるや否や、自分を強引にお姫様抱っこの要領で抱き上げてベッドへ放り投げた。

美波「ちょ、翼さん...」

あまりにも事態が急変しすぎて、梅澤は言葉が出てこない。そんな彼女の消え入るような声では翼は止まらず、目に見えぬ早さで梅澤のシャツのボタンを外し始めた。純白のシャツを留めるボタンが全て外されると翼は迷わずに梅澤をブラ姿だけにした。

美波「イヤ、イヤだ」

目の前にいる人間は、性に従順な獣なのだと梅澤は悟った。付き合った彼氏が男になる瞬間など幾度となく見てきたが、メンバーとの距離感を上手く保ってきた人間が豹変してしまうのは、今が初めてである。決して翼を拒んでいるわけではなく、寧ろこの時を夢見ていたが、もっとロマンティックに肌を感じたかった。そして最も、自分が一番信じていた異性が力ずくで行為に走ると分かった時、自然と梅澤はひと筋の涙を流した。