青道の貴公子 (ページ15)

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決着ページ15

キィィィィン！！！
　
御幸「ナイスボールっ！！球は来てるぞ！」
　
高瀬は何球も投げているにもかかわらず、この人がいまだに沢村のボールを捉えきれていない理由に気づき始めていた。
　
まさか………いや、そんな馬鹿な………天然のムービングがここまで………だが、この程度のストレートを芯でとらえきれない理由は
　
普通はフォームや握り方を教えられるはず。だが、沢村はそれがない。故に、それは偶然が重なってできた沢村の唯一無二のボール。
　
高瀬「(伸び代だけなら、全然わからないぞ、こいつ)」
　
高瀬はこの沢村の底知れぬ伸び代に戦慄を覚えた。これでもし、ちゃんとした指導を受けて、自在にボールを変化させれば…………

高瀬「まぢかよ(笑)ヤベェ超楽しくなってきた」

友沢「あのバカもやっと気付いたか」

新田「遅すぎだろ」
　
キィィィィン！！！
　
高瀬「ファウルっ！！」
　
またファウルか…………
　
そして――――
　
　
ズバンッ！！
　
高瀬「………へ？」
　
御幸「ちょい審判。コールは～？」
御幸先輩に急かされ、
　
高瀬「ストライク！バッターアウト！！」
信じられない。いくら慢心があったとしても、このバッターを抑えた。
　
沢村「シャァァァァ！！！！！」
そしてマウンドで雄叫びを上げた沢村。
　
東「何や、最後のボール………最後は動いて………」
　
高瀬「ムービングファースト………まさかこんなに早くお目にかかれるなんて………」
高瀬はその球種を知っているし、沢村以外は知っている。