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42話 ページ42

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「そう言えばもうすぐ花火が上がるらしいぞ。」

「あ、もうそんな時間か。」



なんやかんやで冨岡君のクラスに留まっていたらもう出店も閉まる時間になっていた。

そんな時に伊黒君がふと思い出したかのように呟いた。



毎年恒例の文化祭終わりに上がる花火。

たぶんあれはうちの名物と言っても過言ではない。私立なだけあって花火のクオリティもなかなかのもの。



「じゃあ行くかァ。」

「ああ。」



そして次の瞬間、私の首根っこは冨岡君によって掴まれていた。



「え、冨岡君?」



そして有無を言わせず、淡々と私を引きずって歩き出した。

ごめん、せめて何か一言だけでも言って欲しかったな。あと自分で歩けるし逃げないからこの手を放して欲しいな。








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「うわぁ…人すごい…。」



校庭にはすでに花火を見る為にたくさんの人達が群がっていた。

そしてカップルの多いこと多いこと。見てるだけで胸焼けしちゃう。



「…俺は人混みが嫌いだ。」

「じゃあ裏山の方に行くかァ。」



私を置いて話は進み、三人は裏山の方へと歩き出した。なんだ…伊黒君もカップルに胸焼けしたのか…と思ったが決して口には出さなかった。

そして私はなぜか冨岡君に引きずられています。地味に痛い。



と言うか裏山って立ち入り禁止だった気がするんだよなぁ。こういうことを息をするようにするから不良疑惑が付いちゃうんじゃないですかね…(小声)








「おお、ここなら見やすいんじゃねェか?」

「(確かに)そうだな。」

「まあ良いだろう。人混みの中で見るより余程良いだろう。」



木の根元に腰を下ろす。

なんだか四人並んで座って空を眺めるのも悪くはないな、と思ってしまった。



「そろそろかなぁ。」

「だろうな。」



伊黒君のその言葉を合図にするように、空気を切るような効果音が響き渡り夜空に光の花が咲いた。

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aya(プロフ) - ラストに向けた展開に心揺さぶられました! (2021年6月8日 2時) (レス) id: 72cb3c8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - ヤバっ!トリハダたちました…! (2021年5月16日 13時) (レス) id: 328ef4fff0 (このIDを非表示/違反報告)
- 学園祭のお話がすごーく良かったです!高校時代に戻りたくなっちゃった。茶道部だったから不死川さんにお茶点てて差し 上げたいわ〜。 (2021年3月14日 0時) (レス) id: 7c1fbdaf37 (このIDを非表示/違反報告)
くれ - めっちゃ面白いです (2021年1月2日 17時) (レス) id: f26c98ad88 (このIDを非表示/違反報告)
そこら辺の水道水(プロフ) - いやなんかw主人公の実況が好きすぎてw (2020年11月18日 7時) (レス) id: 44bf365a1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白霞 | 作成日時:2020年7月11日 23時

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