いつか、会えたなら。【三輪秀次】 (ページ6)

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気持ちの悪さが完全に収まったため、本部をぶらぶらしている。

「A先輩！ちょうど良かった！今からソロのランク戦しない？」

「緑川…。いいよ」

「やったー！！」

ぴょんぴょんと跳ね回る緑川。
この姿はまるで…

「猿にしか見えない…」

「おいこら」

「いや、だってぴょんぴょん跳ね回ってんだよ？どう見たって猿なんですけど」

ブー、と頬を膨らませる緑川。

「そんなことはいーじゃーん。さ、早くやろーよー」

「はいはい」

ウィーン、とランク戦のブースのドアが開く。

「どーする？10本？」

《いいよ、10本ね、場所は？市街地Bでいい？》

「いいよー」

ポチ、と戦闘のボタンを押す。

《ねえ、A先輩！負けた方がジュース奢りね！》

「えー。マジで言ってる？」

《マジに決まってんじゃん》

「まあいいけど」

《転送開始》

ブォォォン、と大きな音がする。

私と緑川が転送された。

「容赦しないよー」

「大丈夫、俺が勝つから」

「うわ言ったな」

「グラスホッパー！！」

「ハウンド」

これは…

次は緑川がスコーピオンでこっちにやってくるな。グラスホッパーで。

だから、

「シールド」

呆気なく防がれた緑川の攻撃。

全て、予測通り。

「あちゃー」

「その程度で私に勝てると思ってんの？

バイパー」

緑川は建物を盾にして(ダジャレじゃない)
攻撃を防ぐ。

さすがA級は侮れない。

だけどね。

「メテオラ＋バイパー＝トマホーク！！」

ドカァァァアン

当たり。

ビュー、と緑川がベイルアウトするのが見える。

結果は、4-6で、私が勝った。

「ちぇー。ジュース奢りかー」

「いいよ、私は」

じゃあね！と去っていく緑川。

この試合で、SEを使いすぎた。

頭痛がする。

いつもより激しい。

ふぅ、と息をついて壁に寄りかかる。

しばらく頭を押さえていた。

コツコツと足音が遠くでする。

誰だろう。

まあ、いい。通り過ぎるのを待てば。

そんな私の考えは、間違っていた。

「……！？

A…か？」

えっ、と思って痛む頭をを上げる。

「……秀、次……？」