ストロベリータルト【アイナナ】【短編集】

失恋でしょうか？　　NO.3、5 ページ25

NO side

オレンジ色の髪を揺らす小柄な男に駆け寄る女。

三月「よう！A！」

『三月！！』

楽しげに笑う二人を見るのは、透き通るような白髪に双葉のアホ毛が揺れる男。

壮五「ハァ…」

スタジオに続く廊下に漏れたため息。
幸せが逃げるかななんて呑気なことを考えている冷静な自分がいた。

IDOLiSH7の三月とAが付き合ってるのを知ったのはわりと最近だ。

諦めないとだめだとわかっているのだが、自分の底意地の悪さに嫌気がさす。


ナギ「ハーイ！ソウゴ？最近元気ないでーす」

陸「あっ！壮五さん！おつかれ様です！」

声をかけられた壮五が振り向くと、そこにはメンバーのナギと陸。

壮五「ナギくん、陸くん、お疲れ様」

ニコリとなんでもないように笑うが、少しだけ引きつった。

二人は顔を見合わせると壮五の手をひいた。

驚いている壮五にナギは笑いかける。

ナギ「辛いときは相談することも大切でーす！」

壮五「そんな！僕は別に…」

陸「実は環に頼まれたんです！なんか、「そーちゃんは一人で抱え込むからもっと頼っていい」って言ってて」

環のマネをする陸。正直、似ているとは言えないが、壮五は思わず笑ってしまう。

ナギ「リク？どこに向かってるデスか？」

陸「相談するのにピッタリの人がいるところ！」

そう言って楽しそうに陸が引っ張ってきたのはTRIGGERの楽屋。

張り紙を見て、壮五は足を止めた。

壮五「いやいや！TRIGGERさんに相談なんて…恐れ多いよ！忙しいだろうし…！」

ナギ「OH！ここに来て逃げるデスカ！？」

ドアの前から離れようとする壮五を止めようと二人がしっかりと腕を掴んだとき、後ろに気配を感じた。

三人が振り向くと、高身長のイケメン二人。

楽「あれ？お前らどうしたんだ？」

龍「久しぶりだね！」

遅れて後ろから現れたのは九条天。

天「陸…と、六弥ナギ、逢坂壮五。どうしたの？」

陸「天にぃ！えっとね、」

楽「とりあえず入れよ。次の仕事までまだ時間あるしな」

壮五「そんな！恐れ多いです！！」

龍「ハハハ！気にしないで！さぁさぁ！」


三人がTRIGGERの楽屋に押し込まれ、ドアは静かにパタンと閉じた。

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