有毒 NO.Ｚ ページ34
私の彼は…………強がりだ。
『なんでまた泣いてるわけ？』
腰に手を当てながら顔を覗くように問いかけると、ゴシゴシと服の袖で顔を拭った彼。
悠「っ…泣いてない！」
『いや、泣いてるじゃん』
いつもの無愛想な顔はどこへやら。
目を真っ赤にして泣きはらしていた。
蒸したタオルを渡すと、受け取って目にあてている。
悠「目にゴミが入っただけだ！」
『両目にねぇ…？』
悠「うるさい！」
昔から私達は一緒だった。
だからこそ、お互いのことはよくわかる。
『どーせまた現代の天使になんか言われたんでしょ？』
カマをかけるように言うと、ビクッと反応した悠。
…………当たりか。
頭をなでてやりながら
『なんて言われたの？』
って聞いたらボソボソと話し出す。
悠「俺も…頑張ったんだけどな…。くそーー！九条のやろう！絶対ぶっ潰す！」
『はいはい。お疲れ様。頑張ったね』
悠「子供扱いすんな！」
そう言いながらも、撫でている私の手を振り払ったりはしない。
素直じゃないなぁ…。
『かわいいねぇ』
悠「俺は男だ！可愛くねぇ！」
いつの間にか目の腫れもなくなり、いつもの悠に戻っていた。
クスクスと笑いながら、タオルを受け取る。
『テレビでもそれくらい威勢良くいきなよ。いつ見ても無愛想な顔してんだからさ』
悠「それは！………………なんでもねぇ」
『えっ？なに？気になるじゃん』
また顔を伏せた悠を覗き込む。
悠「なんでお前は…わかってくれねぇんだよ」
『ん？なに？聞こえな…！？』
何かボソボソと言ったかと思うとグイッと腕を引っ張られた。
パサッと床にタオルが落ちる。
バランスを崩した先に広がったのは
目を閉じた悠の顔。
唇には柔らかい感触が広がっていた。
しばらくして離れた悠。
悠「少しは…………意識しろよ」
そう言って部屋から出ていった。
腰が抜けた私はその場にへたり込む。
『何……………今の…』
指先で唇を触ると少しだけ湿っていて。
まだ彼の温もりを感じた。
こんなのってずるい。
彼の一手は…………有毒だ…。
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てぃあクン. - あの，一織の一人称が違いますよ！私ですよ！ (2018年7月20日 19時) (
レス) id: d73fedcf27 (このIDを非表示/違反報告)
Ryo Ino(プロフ) - いえいえ！これからも作品頑張って下さいね！ (2017年12月22日 3時) (レス) id: 6f1e17abd4 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎★天使(プロフ) - Ryo Inoさん» あわわ！すいません！気づきませんでした！！教えていただきありがとうございます！ (2017年12月18日 20時) (レス) id: 52a5e6ff84 (このIDを非表示/違反報告)
Ryo Ino(プロフ) - 万理さんの漢字が違いますよ！！理科の理です！！ (2017年12月18日 1時) (レス) id: 6f1e17abd4 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎★天使(プロフ) - 美来さん» 喜んでいただいてうれしいです！素敵なんて言葉私にはもったいないくらいです！こちらこそ、リクエストありがとうございます！またよろしくお願いしますね！ (2017年11月21日 22時) (レス) id: 52a5e6ff84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅兎★天使 | 作成日時：2017年10月18日 19時
