好き嫌い NO.1000 ページ32
私は将来、料理人になりたいと思っている。
だからこそ、バランスのいいものを食べてほしい。
それこそ、彼氏には。
『千！今日こそはお肉！食べてもらうからね！』
エプロンをつけて、今は彼の家。
ソファで長い足を組んで雑誌を読みながら座っていた彼氏 Re:valeの千はわかりやすいほど顔をしかめた。
千「僕がお肉食べないの知ってるでしょ？野菜スープ作ってよ」
『だめ！今日こそはお肉食べてもらうの！あっ、お魚でもいいよ？選ばせてあげる』
彼はいじけたように長い髪を一束の三つ編みにしていった。
千「そんなの選びようがないじゃない。ね？お願い？」
そんな目で見ないで……。悪いことしてるみたいな気分になる…。
千「僕、Aの料理好きだよ？だからこそ美味しいものを食べたい。」
『うっ…でも！タンパク質取れないし！』
千「大丈夫だよ。ね？お願い？」
『…………じゃあ野菜炒めにするから。』
千「お肉はいらないからね」
『わかったよ…』
結局私は負けた。
仕方ない、あんなうるうるした瞳で見てくるのだ。
お願いしてくるのだ。
勝てるわけ無いだろう。
『千………私がその目に弱いのわかっててやってるでしょ』
千「あっ、バレた？」
そう言って舌を出す彼。
私はそんなところも愛しいと思ってしまう。
髪の毛をポニーテールに縛ると、キッチンに立った。
私が調理している間、彼は黙って見てるかたまに抱きついてくる。
今日は後者の気分らしい。
ぎゅっと私に抱きついてきて、うなじのあたりに顔を埋めた。
『くすぐったいよ…』
千「いいじゃん。久しぶりなんだしさ」
『ももくん、嫉妬しちゃうよ？』
千「今はプライベートだからいーの」
抱きしめる力を強くしていた。
危ないし、料理しにくいから離れてほしいが、たしかに久しぶりなのだ。
『千、今は離れて？作っちゃうから。その後イチャイチャしよ？』
千「………仕方ないなぁ」
そう言って離れてくれた。私は急いで作ってしまう。
そして完成。我ながら上手だと思う。
『できたよ！』
千の横に腰を下ろす。
千「食べさせて？」
首をコテンとかしげて言ってくる。
仕方ない。惚れた弱みだ。
私は愛しい彼の口元に箸を運んだ。
千「あーんって言ってくれないの？」
『言ってほしいの？』
千「ん」
仕方ないなぁって笑う。
『はい、あーん』
隠し味？
それはもちろん“愛情”です。
雨の日の独り言 NO.10000→←NO DOUBT 2 NO.100
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アイドリッシュセブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てぃあクン. - あの，一織の一人称が違いますよ！私ですよ！ (2018年7月20日 19時) (
レス) id: d73fedcf27 (このIDを非表示/違反報告)
Ryo Ino(プロフ) - いえいえ！これからも作品頑張って下さいね！ (2017年12月22日 3時) (レス) id: 6f1e17abd4 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎★天使(プロフ) - Ryo Inoさん» あわわ！すいません！気づきませんでした！！教えていただきありがとうございます！ (2017年12月18日 20時) (レス) id: 52a5e6ff84 (このIDを非表示/違反報告)
Ryo Ino(プロフ) - 万理さんの漢字が違いますよ！！理科の理です！！ (2017年12月18日 1時) (レス) id: 6f1e17abd4 (このIDを非表示/違反報告)
紅兎★天使(プロフ) - 美来さん» 喜んでいただいてうれしいです！素敵なんて言葉私にはもったいないくらいです！こちらこそ、リクエストありがとうございます！またよろしくお願いしますね！ (2017年11月21日 22時) (レス) id: 52a5e6ff84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅兎★天使 | 作成日時：2017年10月18日 19時
