Guild ページ11
目を閉じ、自身に刻み込まれたその詩を奏でていく。詩と言いながら歌詞が無いのが非常に疑問に思うが…そんな雑念を五秒でしまい、腹の底から頭の頂点目掛けて声を出し唄う。
…あー…ちょっと今日は喉の調子が悪かったかな…
そっと目を開け、詩が終わった事を伝える。するとジオテス老は顔に笑みを浮かべそして響き渡る拍手をした。安堵に包まれたアタシは緊張を全て吐きだすような溜息のようなものをついた。
「よろしい。しかし…お前さんはその詩を持ちながらも使ってないのではないか？」
「はあ、使う場面が無いのです…」
「確か、旅に出とると聞いたな。道中で…モンスターに出会ったりとかは」
「ありましたけど…体力を消費したくはないので…」
青年、ヘルムは手元の紙とアタシを交互に見ながら、そしてじっとこちらを向いた。ついでに溜息もついた。アタシも見つめ返し、次の言葉を待つとする。
「やはり、ギルドに入った方が良さそうだ」
「はあ!?!?!?」
しかし思いがけない言葉に驚き、冷静を保っていたにも関わらず、心の声が出てしまった。
まあパーティを組むのにギルド加入は絶対なのだからしょうがないとは思うが。
「ギ…ギルド…!?」
「今日ここへ呼んだのは詩のためだけではなく、お前さんもギルドに入るべきだと思ったからだ」
「いい旅人がいると衛兵が教えてくれてな」
本っっっ当に迷惑なことしてくれるな、そいつは。
別にギルドに入りたくない訳ではない。しかし人づきあいが苦手なアタシにとって避けた方が良さそうな道だったのだ。
ほとんど強制的に説明を聞かされた後、宿へトボトボ帰ってきた。戸を荒っぽく閉める。
今日は終始疲れたままだった。明日はギルド加入手続きをしに行かなければならない。少し憂鬱になる。そんな気持ちを払うように頭を横に振り、荷物を丁寧に床へ置いた。
終わり
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九崎葉玲生(プロフ) - とても読みやすかったです。ファンタジーモノはあまり読んでいませんでしたが、無駄に長い説明や用語がいくつも出てこない所が良いと思いました。これからも頑張ってください。 (2019年2月8日 18時) (
レス) id: 796af16b89 (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - 如月 唯奈さん» 前のコメントに気付きませんでした(汗)二度のレスすみませんっ( 参考ににしていただけるなんて…！光栄です！！ (2019年1月5日 3時) (レス) id: ec476d732d (このIDを非表示/違反報告)
旅人(プロフ) - 如月 唯奈さん» とても良いアドバイス、それに作品の閲覧ありがとうございます！ 読みやすさの考慮してみます！ (2019年1月5日 2時) (レス) id: ec476d732d (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - アドバイスですが、会話文と説明文(？)を一行程開けた方が読みやすいと思いますよ！私は初心者なので、あまりいいアドバイスになっていないと思いますが。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 文章の長さはちょうどいいです！主語述語がしっかりしていてとても読みやすいので、参考にさせていただいてもよろしいでしょうか……？ (2019年1月5日 2時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：旅人 | 作成日時：2018年12月10日 3時
