[ry] ページ46
Ryo side
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…初恋の子に似てるなって。
気付いたら目で追ってて店内の空気なんて全然気に留めていられなかった。
今更だけど、東京のど真ん中をイケメン化したとは言え目に付くてつやと一緒に歩いてたのが馬鹿だった。
案の定気付かれて対応してく内に、周りには人が増えてて。
迷惑になりかねんと察して抜け出したはいいものの、てつやから何人か追っかけて来てると聞いた時はいくらファンでもそれはなあ…と思ってしまった。
…なんとか撒いて逃げ込んだカフェで出会ったんだ。
騒々しい音を立てながら入店した俺ら対応をしてくれたのがAさんだった。
俺はぼーっとAさんに目を奪われてたから咄嗟についてくれた嘘に え?なんて間抜けな声を上げてしまった。
カフェを見渡すと2,3人いた店員さんやちらほらと見えるお客さんは何事?と言ったように顔をしかめていて、…迷惑をかけてしまったと気付いたのはこの時だった。
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カランカランと心地いい音の鳴る扉を開けるとAさんがこっちをみて驚いた表情をしてる。
「!いらっしゃいませ。」
「どうも、…昨日ぶり、です。」
挨拶をすると途端に恥ずかしくなってしまって目線を逸らす。
俺のたどたどしい挨拶に昨日ぶりです、と笑いながら対応して席に案内してくれる。
やっぱり似てるなあと思いながら席につくとお冷が出されて決まったら呼んで下さいね、と持ち場に戻ったようだった。
メニューに視線を落としながらチラチラとAさんを目で追う。
ぱっと見で似てると思ったが、見れば見るほどそうなんじゃないかと思える。
見詰めてるとパチリと目が合ってしまい こちらに寄ってくる。
「お決まりですか?」
「あ、カフェラテ。
…フードでおすすめってあります?」
ここは煮込みハンバーグとかミートソースのパスタがおすすめですよ、とメニューを指差しながら教えてくれる。
「じゃあ、ハンバーグで」
「かしこまりました。」
「あ、Aさん」
咄嗟に呼び止めると不思議そうにこちらを覗き込んでくる。
吸い込まれそうな、綺麗な青い目。
似てる、より本人説がぐんと上昇して 今日あがり何時ですか?と質問する。
「…もうすぐ上がりです。」
「あ、じゃあお礼に一緒にランチって駄目ですか?」
優しいAさんの性格を汲んでの言葉に、つくづく悪賢さを感じる。
「…いいですよ。上がったらここに戻りますね。」
やっと見つけた彼女をやすやす逃したくない
そう思った。
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フラワー(プロフ) - 更新お疲れさまです。そして続編おめでとうございます。これからも頑張って下さい! (2019年7月3日 15時) (レス) id: 34909526e5 (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - お忙しい中、お返事ありがとうございます!全然大丈夫です…!続編での更新楽しみに待っております…よろしくお願いします! (2019年5月27日 10時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぴこ(プロフ) - 遊馬さん» 返信ありがとうございます!続編でも構いません!待っています。現在のお話もすごく楽しみにしてます! (2019年5月27日 1時) (レス) id: e2ae3a79dd (このIDを非表示/違反報告)
ふうか(プロフ) - はじめまして…全て読ませていただきました…すごく癒されました…私もリクエストをお願いしたいのですが、てつやの献身的な彼女のお話が読みたいです。あやふやですみません…虫さんの献身的な彼女のお話が好きなので…これからも応援しております。 (2019年5月26日 23時) (レス) id: 8efdf1c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - リクエストありがとうございます!!すごくよかったです!!難しくざっくさていたのにありがとうございました。 またよろしくおねがいします! (2019年5月26日 21時) (レス) id: 2cd07c1461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遊馬 | 作成日時:2019年4月24日 14時