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「…」



りょうくんが出て行ってからしばらく沈黙が続いた。




母「いつ帰ってきてたの、岡崎に」



「1年ちょっと前」



母「仕事は?」



「辞めた。今はてっちゃんの家に住んでる」



母「…そう。…結婚…するの?」



「別にそういう話は出てない」



母「何で岡崎に帰って来たの」



「別に、関係ないでしょ」



母「…」



「そもそもに会いに来る必要もなかったんだけどね」



父「また会いに来ればいいじゃないか」



「そんな必要ないから」



母「そんなこと言わないでよ…」



「私は別に心配される筋合いないから。今、めちゃくちゃ幸せだから。
2人に会うと不幸せになりそうだからもう来ない」



父「お前!親に向かってなんてこと言うんだ!」



「あなたは私の親なんかじゃない!」



母「A…!」



「お母さんが見ていないところで私に散々酷いことしてきたくせに!
今更父親面したって無駄よ!」



母「A、やめなさい!!お父さんはそんな人じゃないから!」



「ほら、そうやってお母さんはお父さんとかばうんだから!ずっと、ずっとそう!
お父さんのことを優先するようになって!」



母「そんなこと…そんなことないわよ」



「もういい!!」



母「…なによ」



「私は絶対にこんな最低な大人にならないし、夫婦にならないから!
子供に私と同じように可哀想な思いなんてさせないから!」



父「なんだと!!」



「私は絶対あなたたちのようにはならないから!」



母「…初めてそんなこと言ったわね」



「なにが」



母「今までずっと黙って何も言ってこなっかったじゃない。
そんなふうに思ってたのね。ごめんね、ごめんね、A」



「今更謝られても何とも思わない、もう二度と会わないから」



私はそれだけ言い捨てて家を出た。



確かに初めてだった。



今まで2人にあんなこと言ったことなかった。



黙ってニコニコして言うことをきいていた。



自分の思ってることを言ったら傷ついてしまうだろうと思って言えなかった。



お母さんはきっと今、傷ついて泣いているだろう。



それでも構わない。



ずっとため込んでいたものを吐き出せた。



これで心のどこかに会ったしこりが無くなった。



周りから見れば家族を捨てるようなことは酷いと思うかもしれない。



でも、私にはこれ以上関わっていくのは耐えられなかった。



さようなら、私の家族。

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作品ジャンル:恋愛
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さな(プロフ) - テディさん» ありがとうございます!素敵な作品だなんて言っていただき恐縮です…!また作品を作った際にはよろしくお願いします;) (2018年1月26日 12時) (レス) id: d3d9450edc (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - あやもち(新アカウント)さん» ありがとうございます!またりょうくんとのお話を書きますので読んでいただけたら嬉しいです;)ありがとうございました! (2018年1月26日 12時) (レス) id: d3d9450edc (このIDを非表示/違反報告)
テディ(プロフ) - 完結おめでとうございます!最初から最後まで本当に素敵な作品でした!更新されるといつも楽しみに見させてもらってましたん本当にお疲れ様でした! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 909de05791 (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした!!りょうくん好きなので、楽しく見させてもらいました! (2018年1月25日 17時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さな | 作成日時:2018年1月21日 3時

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