一緒に笑っていたい 【東海オンエア】 【りょう】

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りょうSide



俺を睨んで怒ったような口調で話しているのも、
大声で怒るのも本当は俺に何か言いたくないことがあるから。



手を握ればAは諦めた表情をして話し始めた。



「みんながステージに出てくるまではYouTuberってすごいんだな、

こんなに会場が盛り上がっててすごいなって。ビックリしながらも楽しんでたの。

でもね、みんなが出てきたらいつも近くにいるはずの6人がすごく遠い存在のように見えて。

キラキラしてて、ファンの人たちからの歓声もすごくて。

そしたら急に寂しくなってね、みんながせっかくステージで面白い話してたのに

全然頭に入ってこなくて…これからもっともっと有名になっていったら私となんて

会ってくれなくなってりょうくんは美人な女性YouTuberさんと付き合っちゃうのかなって。

私、みんなのこと大好きだから離れたくないの。

もう考えれば考えるほど悲しくなってきて…」



Aは目に涙をためて俺に話してくれた。



り「A」



「こんな女、面倒だよね。遠い存在に決まってるのに。
今まで気づいてなかった私がバカなんだよ。
それに、今だって変に強がってりょうくんのこと睨んじゃったし…」



り「A、聞いて」



「…うん」



り「Aは面倒な女なんかじゃないよ。

確かに今日の俺らはいつもとは違ったけど遠い存在なんかじゃない。

それに、これから先どんなに有名になったって、どんなに美人だと言われている

女に会ったって俺はAと別れる気なんて全くないし、

てつやたちだってAと会わなくなるわけないでしょ。

だってAは俺らにとって大切な存在なんだから」



「りょうくん…」



り「確かにAは強がって本当のことを言ってくれなかったりする
こともあるかもしれない。でも、そんなところも含めて俺はAのことが好きだよ」



「…そんな嬉しいこと初めていわれた…」



Aは泣きながら俺に抱き着いてきた。



り「ごめんね、心配させて。でも、これが俺の本心だから」



「ありがとう、りょうくんありがとう」



子どものように泣くAを俺はギュッと抱きしめた。

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