本望 2 ページ7
シルクside
あれだな、夏にAを迎えに行った時みたいだ。あん時もすげえ泣いて子供みたいに俺にひっついてた。手放したくねえ、誰にも渡さねえってあん時確信したんだ。
だんだんと呼吸が整い始め落ち着いてきたAの様子を伺うために身体を離そうとするも、Aが強く抱きついてきて離れない。俺が力を入れれば同じようにAも力を入れてしがみつく見たくぎゅうっと抱きしめてくるから埒が明かない。
シルク「おい、なんか変だぞお前、ほんとどうしたよ?」
「……離れたくない」
シルク「!」
「…シルクの1番になりたい、」
シルク「…っちょっ、と待て、」
「そんな風に見てないの、わかってる、けど、」
「ダメ、かなぁ…っ、」
俺の肩んとこに頭くっつけたまま、Aの突然の告白。は?え?霊感あるだけじゃ物足りずとうとう幻聴まで聞こえるようになったんか、俺。
頭の中でノリツッコミしてみるも、どうも嘘には思えない。てか、これ嘘だったら泣くんだけど。こんな手の込んだ嘘とかほんと泣くよ。
シルク「…俺のこと好きなの?」
「…ん、」
シルク「いや、ん、じゃなくて。ちゃんと言え」
「…なんでよぉ、わかってるじゃん、絶対…」
シルク「お前がちゃんと言わねえ限り信じねえ」
「……いじわるすんな、ばか、」
シルク「……お前なぁ」
こんな、甘い弱々しい声で話す奴だったか?俺の知ってるAは、いつも凛々しく強く、頼りがいが半端なくてかっけー奴だ。勿論だからこそ時たま見せるギャップが可愛いなってなるし、そんな所も好きだ。でも、今のこいつ、なんか、言っちゃ悪いけど、めちゃくちゃ女子じゃね?
余りにも普段のAとかけ離れてる気がして、やっぱりドッキリか?と周りを軽く見渡すとなんだか全体的にぼやーんとモヤがかかってるみたいに見える。Aはハッキリ見えるのに、それ以外が曖昧だ。
そこで俺はひとつの考えが思い浮かんだ。
もしやこれ…。
「……シルク、すきだよ、」
ハッとして目線をAにやる。まだくっついたままだから顔は見えねえけど、触れてる肌は馬鹿みてえに熱くて、嘘ではなさそうだ。
さっき思い浮かんだ考えからすると…少し、複雑だがまあそれはそれで、今はこの状況を喜んだ方がいいんだろうと切り替えることにした。
シルク「…やべ、」
酔ってたし乗られてた時点でやべえとは思ってた。が、最後に「すきだよ」でキメられた。
俺の俺が臨戦態勢だ。
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yaoyoryzuchan(プロフ) - あゆさんの書かれるてつやが本当に大好きです。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 44f31d8daf (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - フラグ設置、わからないので教えてください (2018年8月21日 18時) (レス) id: 196990bb6f (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 続編は既にパスワード解除、フラグ設置していますのでご確認くださいませ (2018年8月21日 9時) (レス) id: 6672c4434c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 続編のパスワードが分かりません… (2018年8月20日 9時) (レス) id: bf314a48b3 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - 続編のパスワードがわからないです… (2018年8月19日 16時) (レス) id: 196990bb6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆ | 作成日時:2018年6月23日 15時