微糖 3 ページ28
マサイside
マサイ「…〜っしゃあーー!終わったぞー…!」
柄にもなく、部屋で1人雄叫びをあげてみる。
偉いぞ自分この量をいつもよりハイペースで終わらせるなんて。これもあいつの飯のおかげか、なんて考えふふっと小さく笑みがこぼれる。
マサイ「あとはこいつらを編集して…」
マサイ「ファイル送れば完璧だな、うし」
淹れたコーヒーがまだほんのりと温かさを保っている。仕事が早く終わった何よりの証拠だ。
パソコン内の時計を確認するとまだ深夜、人によっては早朝といった微妙な時間。
マサイ「……久々に、すっか」
念には念を。玄関の鍵を二重で締め、作業部屋の鍵も締める。嗜みを棚の奥の奥から取り出し、もう一度腰を下ろしたあと、ヘッドフォンで外部の音をシャットアウトすれば、完璧な自己空間。
マサイ「〜♪〜〜♪」
軽く鼻歌を口ずさみながら、マウスを動かして画面をスクロール。画面に広がるのは露出度の高い、なんとも破廉恥な女性たち。
まあ、言ってね俺だってまだ20代前半。人間の三大欲求は豊富なわけですよ。睡眠欲、食欲はさっきまで十分すぎるほど満たしたし、なら…ねえ?
とまた誰に言うでもなく心の中で呟いてみたり。
マサイ「…ショートヘア、低身長、」カチカチ
いつからだろう。人には見せられないこの行為をする時、"あいつ"と似た姿を探すようになったのは。
俺のタイプとしては、セミロングで、すらっとしたモデルっぽい女の人の方が好きなわけだ。好きなタイプと好きになる人は別だとか言うけど、あいつは正にそれだ。
髪もめちゃくちゃ短いザカオ好みのショートだし、
細ぇけどちびだし、
綺麗めというよりは童顔だし。
つまり、俺のタイプとは正反対なわけ。
それでも、こんな時にあいつに当てはまる"属性"を勝手に選んでしまってるあたり、俺も相当あいつに惚れ込んでるんだと思う。
マサイ「…あ、なんか隠すもん……」
何となくだけど、自分でしてるにも関わらず盛り上がって主張してくるそれを見るのは自分自身抵抗があって、昔から何かで隠してないと落ち着かなかった。1度立ち上がり、先ほど嗜みを持ち出した棚を探る。すると、俺の部屋には似つかわない猫のゾンビがプリントされたタオルを見つけた。
あ、これ。
「UFOキャッチャーで取れたけどダブったからあげる」
なんて言って、わざわざご丁寧に洗濯してあいつがくれたものだった。
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yaoyoryzuchan(プロフ) - あゆさんの書かれるてつやが本当に大好きです。 (2018年8月31日 22時) (レス) id: 44f31d8daf (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - フラグ設置、わからないので教えてください (2018年8月21日 18時) (レス) id: 196990bb6f (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 続編は既にパスワード解除、フラグ設置していますのでご確認くださいませ (2018年8月21日 9時) (レス) id: 6672c4434c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 続編のパスワードが分かりません… (2018年8月20日 9時) (レス) id: bf314a48b3 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - 続編のパスワードがわからないです… (2018年8月19日 16時) (レス) id: 196990bb6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆ | 作成日時:2018年6月23日 15時