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「ついた」
再び意識が浮上した時にはすでに目的地についており、車は停止していた。
ゆさゆさと揺さぶられて唸りながら目を開けると、目の前には整った顔がドアップで映し出され、小さく悲鳴をあげてしまったことは不可抗力として許して欲しい。
車を降りればそこは人っ気はない。木々が茂っておりとても澄んだ空気で空気がおいしい。
大きく深呼吸して彼を見やる
「で、ここどこ？」
「まぁまぁ、ちょっと付いてきて」
「はぁ」
抜けた声を出しつつも前を歩くペチカ色の彼に、ここには不釣合いすぎるなぁと小さく笑いが漏れた。
･･･
しばらく歩くと少し開けた道にでる。木の隙間からこぼれ落ちる光の粒が美しく目を細めていると、みて、と声が聞こえる。
彼の指差す方を見れば、そこにはたくさんの紫陽花が綺麗に咲き誇っていた。
どうやらここは野生の紫陽花畑のようで、あまり人目のつかない奥の方にあるせいで人は寄り付かないんだそう。彼はよくここを見つけたねといえば「散歩してたら見つけた」とニッコリとした笑顔でいった。こんな奥の方まで何しに来ていたんだという言葉を飲み込みそっか、とだけかえす。
「なんでここに連れてきてくれたんだい？」
「ん〜？･･･紫陽花の君、って言ったらAだら？」
「まぁ、そう呼ばれてはいるね」
「だから、Aに見せたかった」
まっすぐな瞳で見つめられ、少しだけ心臓がむず痒い。
見つめていることがなんだが恥ずかしくなりそっと視線を逸らせば彼に手を取られた。何事か、本当に今日のてつやはおかしい。
顔を戻せばしてやったりな顔。不器用に手を握られ、全く、という意味を込めてため息を付けば、先程よりも手を強く握られる。
「ねぇ」
「ん？」
「すき」
ふんわりと微笑んだ彼に目を開く。
彼は定期的にこうやってデレ期が来るのだが、そういえばこの前もデレ期が来ていたような気がするのだ。こんなにも頻繁にくるなんて珍しい。しかも、普段のようにふにゃふにゃした雰囲気ではなく妙に真剣な顔で。
普段の後輩という感じではない、人の男だという雰囲気で戸惑いが隠せない。
ときめき、なのだろうか。心臓が少し早く動いて、彼を見るのがなんだかうずうずしてしまう。
「･･･ありがとう」
「いつもは僕もだよって言ってくれるんに、」
「そんな毎回言わないよ」
彼の視線から逃げるように、そっと目をそらした。
紫陽花が、私を見つめて、どこか居心地が悪いように感じるのだ。
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Sfela-すふぇら-(プロフ) - mai?あまっちさん» リクエストありがとうございます！お時間頂きますが必ず更新致しますので少々お待ちください〜！暖かいおっ言葉ありがとうございます！ (2018年8月7日 17時) (
レス) id: b5335ed803 (このIDを非表示/違反報告)
mai?あまっち(プロフ) - はじめまして！いつも見ています！！あの…リクなんですけど…YouTuber理解王のやつが読みたいですプリッとChannelも好きなので…遅くなってもいいのでお願いしますm(__)m (2018年8月4日 11時) (レス) id: fec9aded6d (このIDを非表示/違反報告)
: - 更新嬉しいです！頑張ってください* (2018年7月11日 0時) (レス) id: 2561c8f55b (このIDを非表示/違反報告)
Sfela-すふぇら-(プロフ) - ＊じゃっきー＊さん» 大変嬉しいお言葉ありがとうございます！ありがとうございます、今後も紫陽花の君を宜しくお願い致します…！ (2018年5月27日 14時) (レス) id: 29f5b6d481 (このIDを非表示/違反報告)
＊じゃっきー＊(プロフ) - 初めまして、いつも拝見させて頂いています。こんな素敵な作品を公開して下さって本当にありがとうございます！更新の無い日も通って遡って楽しんでおります。どうか無理をなさらず、楽しく更新して下さることを願っています。これからも応援しています！ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 57c4a7bd3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sfela-すふぇら- | 作成日時：2018年5月16日 1時
