特別な存在の定義を ページ19
自分の家という訳では無いのに、もう既に見慣れてしまった家の天井をぼんやりと見つめる。ホコリ一つない綺麗な部屋で、どこか疎外感のようなものを感じてしまうほどにこの部屋は綺麗に整えられていた。
幼馴染だからと言って、こうも他人の家に入り浸っていいものなのかと疑問ではあるが、幼馴染だからこそ許されることなのだろうなと思う。
「ざわ？」
「ん、どうした？」
ノックもなしに開かれた扉の先に少しだけ不安そうな顔をしたAが立っていた。どうしたのかと首をかしげればううん、とゆるゆると首を振った。
なんでもないことなんてないのに、いつもいつも1人で抱え込もうとして結局限界が来てしまうのはいつもの事なのに、全く学ぶことなくそれを続けるのはきっと彼女の唯一の弱点で悪い所だと思う。
「なに、こっちおいでよ」
まるで知らないところに投げとこまれた幼子のようにちらちらとこちらの顔色を伺っては情けなく眉を垂れるAを呼べば、控えめに足音もなく近寄り、僕の隣に腰をかけた。
「いや、その、…、なんもないんだけどさ」
「なんもないんだけど？」
「ただ、少しだけ不安になってしまったから。」
眉を垂れ、瞳を伏せる彼女はきっと女の子特有のアレなのだろう。なるほど、と自分の中で完結させ、そっか、と頭を撫でる。普段の反動からかこういう時、少しだけ甘えたになってしまう彼女を知るのはきっと僕だけの特権で、甘えられるのもきっと僕だけなのだと思い自然と口角が上がった。
「大丈夫だよ、気にしなくて。大体Aは無理し過ぎね。」
「うーん、自分では気付かないんだけれどね。無理してるつもりなんて全くないし。」
それが悪いところだ、と軽く額を押せばくふふ、と笑ってごめんね、と額を抑えた笑った。
「太紀だけだよ、こうやって甘えてしまうのは。」
「何それ、思わせぶり？」
「そんなわけないだろ？」
変な冗談はやめてくれと笑いを含みながら笑う彼女にまあそうだろうなという納得と、つきりとした胸の痛みを隠すように目を瞑った。
きっとこの気持ちに気づかれることはないし、受け入れられることも無いのだろう。
だけどそばにいられるだけで、自分は幸せなのだと自分に言い聞かせた。
ーーーーー
虫さんに彼女がいなかったら、みたいな。
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Sfela-すふぇら-(プロフ) - mai?あまっちさん» リクエストありがとうございます！お時間頂きますが必ず更新致しますので少々お待ちください〜！暖かいおっ言葉ありがとうございます！ (2018年8月7日 17時) (
レス) id: b5335ed803 (このIDを非表示/違反報告)
mai?あまっち(プロフ) - はじめまして！いつも見ています！！あの…リクなんですけど…YouTuber理解王のやつが読みたいですプリッとChannelも好きなので…遅くなってもいいのでお願いしますm(__)m (2018年8月4日 11時) (レス) id: fec9aded6d (このIDを非表示/違反報告)
: - 更新嬉しいです！頑張ってください* (2018年7月11日 0時) (レス) id: 2561c8f55b (このIDを非表示/違反報告)
Sfela-すふぇら-(プロフ) - ＊じゃっきー＊さん» 大変嬉しいお言葉ありがとうございます！ありがとうございます、今後も紫陽花の君を宜しくお願い致します…！ (2018年5月27日 14時) (レス) id: 29f5b6d481 (このIDを非表示/違反報告)
＊じゃっきー＊(プロフ) - 初めまして、いつも拝見させて頂いています。こんな素敵な作品を公開して下さって本当にありがとうございます！更新の無い日も通って遡って楽しんでおります。どうか無理をなさらず、楽しく更新して下さることを願っています。これからも応援しています！ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 57c4a7bd3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Sfela-すふぇら- | 作成日時：2018年5月16日 1時
