兄ちゃんのマネのはなし９ ページ16
「A」
あらかた作業が終わったのを見計らってよく響くテノールボイスでAを呼ぶ。
ぴょこん、とこちらを向いたAがパタパタ走ってくるのを見て白ひげは腕を広げた。
「おいで」
Aは迷わずその胸に飛び込むとほっぺたを擦り寄せて、それから父の顔を見上げた。
「お留守番！おわったよ！」
「ああ、よくやった。お前が指揮したんだってなァ、」
「マルコっぽくできたかな？」
「なかなかいい動きだった。それに最後の賞金確認までやれたじゃねェか」
「わたし、兄ちゃんがいつもやってるの、ちゃんと見てるから！！」
「偉かったなァ、流石、俺の娘だ」
「へへっ！」
もう一度ぎゅう、と抱きしめてから離してやると今度は後ろから見ていた兄ちゃんたちからもみくちゃにされた。
頑張った、偉かったなぁと頭を撫でられ、背中や肩を叩かれるとAは嬉しそうに笑った。そこに、先程船に戻ったクルーが怪我人の確認を終えて戻ってくると報告、と姿勢を正す。
「負傷したものは居ましたがどれも軽傷、重傷者、並びに死亡者なしです！！」
その言葉に白ひげは深く頷き、改めてよくやったと告げた。
・
・
その夜、怪我の手当てを終えたAとクルーはお呼ばれに与り、島の大広場に来ていた。
事態のあらましを伝え、因縁の海賊たちが捕縛されたことを大層喜んだ島の人たちは礼がしたいと呼んだのだ。
「お嬢ちゃん、君が部隊を指揮して海賊の迎撃に当たってくれたと聞く。島を守ってくれてありがとうね」
島の長が目線を合わせて膝をつき、頭を下げるとAはものすごい勢いで手と頭を横にブンブン振った。
「えっ、ちが、わたしお留守番頼まれただけで、、兄ちゃん！お父さん！なんて伝えたらこんなになるの！？わたしそんな、そんなすごいことしたわけじゃ、」
「いーや、Aちゃん凄かったぜえ！！慌てふためく俺たちを一喝、わたし達がここを守るの！って！！」
「ガツンと各隊に的確な指示を出して、士気を上げて行くぞーー！ってな！」
「もう、みんなすぐ話を大きくする！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 617人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
森の妖精(プロフ) - マナさん» 実は新しいお話を考えていて2年後の世界を創造中です！色々本編にも触れてその手のちょい落ち込み系の主ちゃんを書きたいも思ってます！その時になってしまいますが詳しく内容お聞きしたく存じます！ (2022年10月12日 19時) (
レス) id: 89758912f0 (このIDを非表示/違反報告)
マナ(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！！リクエストとかって可能ですか，？もしできたらちょっと成長した夢主ちゃんの病んだやつが見てみたいです，！！ (2022年10月11日 20時) (レス) @page6 id: b0901846b6 (このIDを非表示/違反報告)
森の妖精(プロフ) - しろごまさん» やったあああああああああ！！！！！！！パパだーーーーーいすき！！！！！！コメントありがとうございます！！！ (2022年10月11日 17時) (レス) @page6 id: 89758912f0 (このIDを非表示/違反報告)
しろごま - 親父ｨｨｨｨｯァァァー!?!?好き(真顔) (2022年10月11日 16時) (レス) @page6 id: 4dc97dea49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：森の妖精 | 作成日時：2022年10月9日 2時
