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第134話 直前の仮面舞踏会 ページ41

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そんな不安もすっかり忘れ––ついに、仮面舞踏会3日前まで迫って来た。

授業は殆ど社交ダンスの練習に充てられ、皆でずーっと踊っていた。

練習の成果があったからなのか、私もやっと人並みに踊れるようにはなった。リードすることも、リードされるのも、ある程度は上手くなったと思う。

私は、休憩がてら少し遠くにある水飲み場へ足を運んだ。

顔を洗っていると、誰かの近付く気配。ハンカチを取り出して顔を拭くと、傍にいたのは佑亮くんだった。

「ねえねえ、Aくん。…ダンスのパートナーって、もう決まった?」

不安げな表情を浮かべて、おずおずと私に聞く佑亮くん。その問いに、私は小さく横に首を振った。

「双子の妹と踊ることにしたよ。…来てくれるか分からないけど」
「そっかあ。
…実は僕ね、仮面舞踏会の日–欠席しようかなーと思って」

欠席––
その言葉に、私は小さく揺れ動いた。

「仮面舞踏会って、欠席できるの?」
「うん。ただの行事だからね。––それに、仮面舞踏会で優勝したいわけでもないし」

佑亮くんはそう言いながら、小さく息を吐く。

「…って言うのは、ただの建前。本音は––お墓参りにこっそり行きたくて」

えへへへ、と、悲しげな笑顔を向ける佑亮くん。私は何も返せなくて、ただ佑亮くんの背中をさすった。



夕暮れ時の帰路。どこか遠くで、誰かの歌声が聞こえてくる。

「…あっ」

こっそり覗き込めば、伸びやかな声で歌っている晃一の姿があった。

「おぉ、久しぶりやんな」

私の姿を捉えると、晃一は照れたように笑う。

「…ついに明後日やな。なんか、ガラにもなく緊張してきたわ」

そう言いながら、自分の頬をぽりぽりとかく晃一。

「俺も、ちょっと緊張してる。でも、ちょっと楽しみ」
「せやな。俺も、お前と同じ気持ちや。
お互い、頑張ろうな」

晃一は屈託のない笑顔を向けると、鼻歌を歌う勢いで冊子を持って走って行ってしまった。

第135話 汚れなき純白王子→←第133話 冷たい空気と何か



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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx  
作成日時:2018年5月29日 19時

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