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第118話 ぶつけられる不評 ページ25

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「(あれ…今日–船津さんはお休みなんだ…)」

始業のチャイムが鳴っても、席に着かなかった船津綾雅。あの人が、寝坊で遅刻するとは思えない。

教員が教室に入り、連絡事項を伝える。私は、ぼんやりとその風景を眺めていた。

脳裏をよぎるのは、今朝のキスのこと。海さんの突然の訪問に、突然の事態。

–思い出すだけでとろけそうになる。

どくん、と大きく高鳴る心音。隣で教員の話を聞いている佑亮くんに聞こえるんじゃないかって錯覚した。



移動教室の後。余韻に浸っている私をまるで遮るように、何かを思い切りぶつけられた。

固かった何かが溢れ出し、べたべたと私の髪の毛とブレザーを汚していく。ぶつけられたところを手で拭えば、ぬるっとした触り慣れた食感。

「(生卵なんて、古典的な…)」

そう思いながら、投げつけられた方を見れば–自分のおでこにクリティカルヒット。

割と新鮮であろう生卵が、私の前髪や目元を無残にも汚していく。

カラが目に入らなかっただけでも幸運だと思った。

私は顔や髪の毛、制服についた生卵を手で撫で落として、ガードもせずに颯爽と歩き出す。

それでも、ついてくる生卵。あの男子生徒を筆頭に、一部の生徒が私へ向かって生卵を投げつけてくる。

「(制服、洗濯大変そうだ…)」

そんなことを考えながら、私は午後の授業をどう過ごすか考えていた。

第119話 落とせないヨゴレ→←第117話 スキだらけの日々



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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx  
作成日時:2018年5月29日 19時

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