第130話 もう一度、遊ぶ? ページ37
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「罰ゲームは…ギモーヴを食べさせ合うってことで」
えっ…それってつまりー「あーん」ってこと…?
「!」
途端に、自分の顔が赤くなる。
「えっ、あの…」
「恥ずかしいからこその罰ゲームだよ。
じゃあ、コンティニューするね」
問答無用でゲームを再開させた船津さん。私は罰ゲームのことで頭がいっぱいになってしまった。
そのせいで、私のミスによるゲームオーバーを連発。
「…はい、じゃあ罰ゲームね」
そう言いながら、妙に妖艶な感じで私の口にギモーヴを運ぶ船津さん。
「(うそ…。あーんって、こんなに恥ずかしいもんだっけ?)」
困惑する私をよそに、船津さんは小首を傾げた。
「ほら。口開けて?」
私は目をぎゅっとつむり、口を開ける。そして、船津さんの持つギモーヴを今か今かと待った。
船津さんの指が、自分の唇に触れる。その瞬間、そのまま口の中へ運ばれた。
柔らかくて、暖かい感触。ーキスみたいな感触。
自分の顔が熱くなった。
「はい、じゃあ次はAの番ね」
船津さんは私にギモーヴを持たせると、私との距離を詰めてくる。
「…はい」
そう言いながら目をつぶった船津さん。緊張しながら、私は恐る恐るギモーヴを船津さんの口へ運んだ。
船津さんはまた私の指ごとぱくっと口に含む。手を抜こうとした瞬間、船津さんに手首を掴まれた。
驚く間も無く、私の指先を丹念に舐め取る船津さん。妙にくすぐったかった。
「あ、あの…。指…」
私がそう言うと、船津さんは満足したのか私の手首から手を離す。
そして、船津さんはそっと自分の唇を舌なめずりした。
「じゃあ、またゲーム再開させるね。…今度はゲームオーバーにならないよう、気をつけて」
妖艶に笑う船津さん。テレビには、コンテニューの文字が並んでいた。
ゲームが再開すると、船津さんは次々にヘッドショットを決めていく。私はその援護を務めるので精一杯だった。
「A。後ろ」
「え?後ろ?」
ゲーム画面から自分の背後に視線を向ける。しかし、そこには誰もいなかった。
「(海さん…どこ行ったんだろう…)」
ふと海さんのことが気になる。私は自分の後ろからテレビ画面へ視線を戻した。
その瞬間、また流れたゲームオーバーの文字。
「…!」
私の顔が、また熱くなった。
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桜月(プロフ) - うめこんぶさん» わわ!ご指摘ありがとうございます(;´Д`A 引き続き、良い小説が書けるよう頑張ります!よろしくお願いします!d( ̄  ̄) (2018年12月23日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
うめこんぶ(プロフ) - 更新ありがとうございます!126話と127話が抜けてると思いました。これからも楽しみにしています! (2018年12月23日 1時) (レス) id: 0ab6ffd78b (このIDを非表示/違反報告)
桜月(プロフ) - ぱにぱにこちゃんさん» コメントありがとうございます・:*+.\(( °ω° ))/.:+ ゆるゆるっとですが、更新しますのでぜひ!よろしくお願いいたします♪ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 3c689d561d (このIDを非表示/違反報告)
ぱにぱにこちゃん(プロフ) - 更新待ってますっ! (2018年6月17日 7時) (レス) id: e09c37547f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2018年5月29日 19時