最重要機密事項！ (ページ44)

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第44話ここで問題が発生ページ44

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「…お風呂に、入れない…」

ここで問題が発生。頭にケガを負ったことで、シャンプーができない状況に陥った。

「では、私がA様の御髪(みぐし)を…」
「それはだめ！絶対にだめ！」

そして、こんなやりとりのループにも陥っている。

「ですが、御髪を洗わないわけには…」

そう言いながら、小笠原さんは私の毛束を一つ取った。眉を下げて心配そうな顔を浮かべる小笠原さんに、私は何も言えなかった。

さすがに、男女一緒にお風呂に入るのはまずい。目隠ししたとしても、偶然取れてしまったら…！
でも、小笠原さんなら多分違う方法を考えているはず！それに、なんだかんだ常識人だし…。

「…分かりました、お願いします」

渋々承諾した私を見て、ぱああ！っと顔を輝かせる小笠原さん。

「では、早速ご一緒にお風呂場へ」
「(え！？ま、まさかとは思うけど…一緒にお風呂入る展開だけにはならないよね！？)」

私の心配も虚しく、小笠原さんはそのまま私をお風呂場に連れて行く。そして、私に向かって下心丸出しの笑顔を向けてきた。

＊

「…わ、すごい…」

お風呂場を覗き込めば、そこにはヘッドスパ用の洗面台とシートが置かれている。不思議そうな顔を浮かべる私に、小笠原さんは小さく微笑んだ。

「…草川様が考案された、ヘッドスパマシーンでございます。
当学院では、自社製品の持ち込みを許可しております」
「…なんでもありなんですね、この学校」

小笠原さんに真っ白いバスローブを手渡された私。ちらりと小笠原さんに目を向ければ、いつものよう柔らかい笑みを浮かべている。

「あの…これを着たいんですけど…」
「？はい、どうぞ」

バスローブを指す私を、不思議そうな顔で見る小笠原さん。

「えっと…洋服を脱ぐので、外で待っていてくれませんか？」

私のお願いに、小笠原さんはくすりと小さな笑みを浮かべる。

「A様。そのバスローブはそのまま上に羽織るものですよ。
洋服を脱ぐ必要はございません」
「あ…すみません…」

私は小笠原さんに背を向けて、バスローブを制服の上から身に付けた。

「…私めが、脱がして差し上げても良いんですよ」

バスローブを羽織る私の手の上に重なる、小笠原さんの手。

「(ここでも、問題が発生…)」

後ろから抱きしめられているかのように感じた。