最重要機密事項！ (ページ40)

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第40話選択する時が来たページ40

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森の中を走る2人。少し遠くから、男たちの声が聞こえた。

「福田様。…無断で学院を抜け出した生徒はどうなると思いますか？」
「…強制退学…」

小笠原海の質問に、福田佑亮は暗い顔を見せる。

「…では、ここでお選びください。
強制退学を選択し、このまま福田家からもご自身からも逃げ続けるか…
誘拐と片付け、風向きが良くなるまで学院で待つか」

自嘲じみた笑顔を浮かべる福田佑亮。ただ、目の前にいる小笠原海の背中を見つめることしかできない。

誘拐と片付けたところで、どのみち福田家に追われる。なら、僕はー

「…あなた様のお母様から、学院へ連絡がありました。お父様の遺言書を預かっていると。
万が一の時のために、事前に用意されていた法的かつ公的な効力を発揮する遺言書です」

黙ったまま何も答えない福田佑亮。小笠原海は、言葉を続けた。

「生前、福田様のお父様は、あなた様を守るため尽力されていた、とお聞きしました。

これは私個人の意見ですが、福田様も戦い続ける必要があるかと。

お父様があなた様を守ったように。あなた様も、大切なものを守る責務がございます。
－自分のために、自分の夢のために」

そう言い終えると、小笠原海は徐々に失速する。どうやら、森の出口へ辿り着いたらしい。

拓けた森の前にあるのは、学院へ続く小道とー外へ続く大門。

「どちらを選択するのも、福田様の自由です」

小笠原海は優しく微笑むと、福田佑亮に目を向ける。

「僕はー…」

福田佑亮は、自分の目指すべき道を見据えた。