最重要機密事項！ (ページ31)

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第31話福田佑亮のお悩みページ31

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お昼休み。小笠原さんが作ってくれたお弁当を食べ終えた私は、久々にゆっくり過ごそうと席を立ち上がる。

「…あの、Aくん…」

今にも消えそうな声で、私の名前を呼ぶ佑亮くん。弾かれたように顔を上げれば、浮かない顔をした佑亮くんが立っていた。

「放課後、今朝の噴水のところで会えないかな…。
ちょっと、お話ししたくて」
「うん、良いよ」

私はすぐに佑亮くんの提案を聞き入れる。私の返答を聞いた佑亮くんは、ホッとしたような柔らかい笑顔を見せてくれた。

＊

迎えた放課後。私は小笠原さんに一言告げて、急ぎ足で佑亮くんとの待ち合わせ場所に向かった。

噴水前で待てば、大慌てで駆け寄ってくる佑亮くんの姿がある。

「ごめんね、お待たせしました…」
「ううん、大丈夫だよ」

少し乱れた息を整える佑亮くん。思いっきり深呼吸し、ゆっくり息を吐くと私の目を見据える。

「あのね…。
実は僕、福田家の養子なんだ…」

佑亮くんはそう言うと、今朝泣いてた理由を話し始めた。

養子として、福田家に迎え入れられたこと。
佑亮くんのお父さんは、佑亮くんに会社を継がせたくなかったこと。
佑亮くんのお父さんは、会社の跡取りを拒否したこと。
突然、お父さんが病気で急逝したこと。
現在、佑亮くんを次期社長として株主総会で決定が出されたこと。

佑亮くんの相談は、一般庶民の私からして驚くしかない内容ばかり。

「僕ね、福田家の養子って事実にコンプレックスがあって。お父さんは、それを知ってて会社を継がせたくなかったんだと思う。

…だけど、この学校に入れられた瞬間に悟ったんだ。

－－会社を継がなきゃいけない、って」

そう言った佑亮くんは、今まで見たこともないくらいとても悲しい顔をしていた。