最重要機密事項！ (ページ28)

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第28話お風呂でトラブルページ28

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お風呂から上がった瞬間、急な立ちくらみで体がよろける。体を支えようと壁に手をつこうとした瞬間、シャンプーを倒してしまった。

カシャンと音を立てて床に落ちるシャンプー。落ちたシャンプーを取ろうとした時、突然お風呂場のドアが開けられた。

「A様！！！」

そう言いながらドアを開けた焦り顔の小笠原さん。突然の登場に、驚きのあまり声すら出なかった。

「あっ…こ、これは失礼しました！」

小笠原さんはそう言うと、慌ててドアを閉める。幸い体を見られなかったものの…今度は違った意味で、逆上せそうになった。

「…あ、あの、先ほどは大変失礼を…」

脱衣所のドアを挟んだ向こう側に、小笠原さんがいる。いつも澄まし顔の小笠原さんが、珍しく焦っていることに私は内心驚いていた。

「あ、いえ…。こちらこそ、心配かけちゃってごめんなさい…」

ドアに背を向けたまま、バスタオルを体に巻きつける。体の水滴をささっと拭き取り、素早く部屋着に着替えた。

「あの…着替え終わりました…」

おずおすとドアの前で声を掛けると、コツコツと響く靴の音。小笠原さんが移動したことを確認して、私はゆっくりとドアノブをひねった。

「あの…先程は大変失礼いたしました。
小笠原、この身を持って謝罪を…」

ドアを開ければ、90度の角度でお辞儀をしている小笠原さんがいる。

「いや！だ、大丈夫です！その…ただの立ちくらみなので…。
それより、頭を上げてください！」

私の声を聞いて、小笠原さんはゆっくりと顔を上げる。そこにいた小笠原さんは、いつもの澄まし顔ではなく、ほんのり耳が赤く染まっていた。

「あの…すぐに駆けつけてくれて、ありがとうございました…。
ドライヤー、お願いしても良いですか？」
「…かしこまりました」

小笠原さんはそう言うと、私をソファーまで誘導する。そして、失礼しますと声を掛けると、冷風で髪の毛を乾かし始めた。

「(あれは、ただのトラブル…。あれは、ただのトラブル…)」

バクバク高鳴る心臓を抑えるのに必死だった。