最重要機密事項！ (ページ27)

今日:27 hit、昨日:1 hit、合計:68,700 hit

第27話全てはドレスの為ページ27

.

「…あ～～～！！！分からないよ～～～！！！」

分厚い教科書に、参考にならない参考書。ノートはまっさらで、何から手をつければ良いのか分からない。

「(前の高校では、成績は良くても中の下だったのに…。もっと賢い頭が欲しかった…)」

体を後ろへ思い切り逸らし、大きく伸びをする。バキバキと音を立てた背骨が地味に痛かった。

「(…でも、あのドレスが欲しい…)」

あれを着てー私は誰と踊るんだろう。

「(小笠原さんなら、似合うって言ってくれるかな…)」

妄想をしている私の頭に、ずしりと乗る何か。体を仰け反らせると、逆さまの小笠原さんがいた。

「自主的に勉強をされているんですね」

小笠原さんは、そう言いながらいつものように微笑む。私は姿勢を正し、立ち上がりながら小笠原さんと向き合った。

「小笠原さん！私、これを機に勉強を頑張ろうと思いまして！
だから…私に勉強を教えてくれませんか？」

そう言った私に、小笠原さんは感動したのかポケットチーフを取り出すと目元を拭う。

「A様…！もちろんです！」
「ありがとうございます！では、ビシバシと指導を…」

それから始まった勉強会。
ビシバシどころか、超絶スパルタ授業が始まりました。

＊

「本日はここまで。夕食をお作りしますので、先に入浴を済ませてくださいませ」
「は、はい…」

忘れないように、今日学んだことをブツブツと呟きながら脱衣所へ向かう。

「すいへーりーべーぼくのふねー…。
円周率は3.141591…あっ間違えた…3.14159265359…」

それは入浴中も同じ。ひたすら学んだことをブツブツ呟きながら、長風呂をした。

その後逆上せたことは、言うまでもない。