最重要機密事項！ (ページ22)

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第22話村田と社交ダンスページ22

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「…あー、何？アンタらそんな関係なんだ…」

そう言いながら現れたのは、気怠そうにしている村田祐基。私はサッと、小笠原さんから距離を取った。

「いえ、違います。
A様に社交ダンス教えておりました」

小笠原さんは胸に手を当てて、丁寧にお辞儀を返す。村田祐基は小笠原さんから、私の方へ目を移した。

「社交界の人間だろ？少し見てたけど、下手すぎ」

村田祐基は小さく笑うと、持っているスクールバッグと制服のジャケットをベンチに置く。そして、くるくるとシャツの袖を捲った。

「社交ダンスはこうやるんだよ」
「わ！」

驚く私をよそに、私の手を取って体を密着させる村田祐基。目を見開いて村田祐基を見ると、じっと私を見つめ返した。

「…足はこう」

そう言いながら、村田祐基は足元へ目を逸らす。私もその視線の後を追い、村田祐基のつま先に目を向けた。

「…社交界の人間なら、社交ダンスの一つや二つはあるだろ？
こんなんじゃ、家名に泥を塗るぞ」
「あ…、はい…」

小さく謝りながら、村田祐基のステップに合わせる私。村田祐基のリードのおかげで、社交ダンスのコツを掴んだ…ような気がする。

「はい。
じゃあ次は、俺をダンスパートナーだと思ってリードして」
「は、はい…。1、2、1、2…」
「いった！足踏んでる！」
「ご、ごめんなさい！」

気がつけば、陽が暮れるまで、私たち2人は社交ダンスの練習をしていた。