最重要機密事項！ (ページ19)

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第19話本当に必要なものページ19

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「…ここって本当に日本？どっかの小国じゃないの？」

勉強机の上に広げられた課題の上に突っ伏した私。小さくため息を吐きながら顔を横に向ければ、小笠原さんの横顔がある。

「いえ、ここは日本ですよ。ご安心を」
「分かってますけど…。ここに来てから、私が十数年感じていた常識がまるまるっと覆されてばかりで」

学校の敷地内に商店街はないし、成績をお金として扱ったこともない。それに、階級制でポイントを割り振られるだなんて…。

「ルミエール学院では、勉強以外にも『本当に必要なもの』を学ぶための場所でもあります。
お金ー日本円を用いないのはなぜか、それを考えるのもまた一つの勉強に繋がるでしょう」
「ふうん…」

なんとなく、一般庶民とお金持ちとの差が見えたような気がした。

「A様にとって、本当に必要なものは何ですか？」

私にとって、本当に必要なものか…。

「もっとも、A様にとって、今本当に必要なものは頭脳のようですが」
「むっ。悪かったですね！そもそも、相対性理論なんて、一般の高校じゃあそうそう習いませんよ…」

ため息を吐く私の隣に腰掛けた小笠原さん。そしてペンを持つと、私の方へ顔を覗き込んだ。

「…では、私がお教えいたします」

柔らかい笑みを口元にのせると、私から教科書へ視線を移す。

「ではまず、基礎である一般相対性理論と特殊相対性理論を簡単に説明しますね」

今夜は、色んな意味で長くなりそうだ。