第18話 高級な焼きプリン ページ18
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ずらりと目の前に並ぶのは、滅多なことでは食べられない高級な焼きプリン。
「(コンビニの焼きプリンすら、あまり食べたことなかったのに…!)」
コンビニの焼きプリンを何十個も買える値段のものが、今目の前に並んでいる。
綺麗な表面の焼き色。高級な卵を使ったプリンはらまさに金色に輝いている。まだ食べていないのに、ほんのりと漂うカラメルの甘い香りによだれが垂れそうになった。
「いただきます!」
デザートスプーンを手に取り、ぱくっと口に運ぶ。香りもさながら、味も絶品。濃厚でもちもちっとした風味は、ここのお店でしか味わえない。
「焼きプリン、すごく好きなんだね!幸せそうな顔してるー!」
そう言う佑亮くんも、すごく幸せそうな顔をしている。
「…佑亮くん、ついてるついてる」
自分の頰を指し、佑亮くんは驚いた顔を見せながら手の甲でプリンを拭う。本当だ!と言いながら、佑亮くんは笑った。
高級焼きプリンを堪能し、お金を払おうと財布を出す。その光景を、佑亮くんは不思議そうに見ていた。
「?…どうかした?」
「Aくん、何してるのかなーと思って!」
「え?食べたプリン代を払おうと…」
「あ!ここでは、日本円が使えないんだ。お金を払う時は、学生証を使うんだよ」
そう言いながら、佑亮くんは自分の学生証を取り出す。
ルミエール学院の学生証は、ポイントカードのように支払いをすることができるらしい。学生証に入るポイントは、普段の授業態度や成績によって増えることがあり、それ以外にもランク毎におこづかいが割り振られる、と小笠原さんが付け加えて説明してくれた。
問題生徒には、おこづかいが大幅に減額されることもあるとか…。
「Aくんの編入祝いということで、ここは僕が奢るね!」
「え!?」
と返事した時にはすでに遅く。テーブルに備え付けられていたタブレットには、支払い済みと表示されていた。
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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2017年12月24日 17時