sacrifice〜1 ページ5
「目覚めたのね。ついに」
「ええ。」
自分で答えて寒気がした。
アスカの表情は、どことなく固かった。
「私、嫌な予感がするのよ。
碇シンジ__彼は今この世界にいる綾波レイがあくまでも仮称であり、14年前の綾波レイとは違うことを知らない。
恐らく、私たちから伝えても事実を拒絶するはず。
彼は理性を失うとなにをしだすかわからない。」
「そのための、DSSチョーカー…」
そうなる、と私は頷いた。
「起動スイッチは?」
「葛城大佐が持ってるはずよ。
生憎、私たちが操作することはできない」
「しまった…」
私は頬の内側の肉を噛んで、頭を押さえた。
深いため息をつく。
静けさに包まれる空間。
なぜか、誰も反応はしなかった。
「まあまあ、もうこの話は止そう。
とりあえず私たちは、あのワンコくんをエヴァに乗せないことと、あっちに渡さないことを意識すればいいんでしょ?」
沈黙を破ったのはマリだった。
マリはそれだけ言って私とアスカの肩を叩き、楽しげな雰囲気を纏いながら部屋を後にした。
残るは私とアスカ。
またもや襲う沈黙の波第二波を破ったのはアスカだった。
「キキョウにはどう伝えるの?」
確かに。問題はそこだ。
「キィには…その、まだわからない。」
私は思考を張り巡らせる。
どうすべきか。
「近いうち、まだNERVとWILLEの関係が悪くならないうちにキィをもう一度父親に会わせたいの。」
少し間を空け、続ける。
「私は、碇シンジは必ずNERVに行くと考えるわ。
恐らく夫と一緒に13号機に乗り込む。
あの人はなんでもできてしまう。
チョーカーを外すのだって、容易にできるはず。
そして、なによりもお人好しだから。」
そこから先は、怖くて言えなかった。
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茉莉 - めっちゃ最高です!更新楽しみです!頑張ってください((๑•̀ㅂ•́)وガンハバレ~!!! (7月30日 19時) (レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 続きがテニスの王子様めっちゃ気になります! (6月22日 19時) (レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 読みました! (6月22日 19時) (レス) @page36 id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
かずほ(プロフ) - 初めまして!昨日、シンエヴァ見に行って再び エヴァ 火付いてしまいましたw カヲルくんのとこ泣きました! こちらの夢小説シリーズ読ませて頂きました!更新楽しみにしてます! (2021年3月19日 19時) (レス) id: 4ea2670edc (このIDを非表示/違反報告)
RUKA(プロフ) - 長々とコメントを書いてしまい、ごめんなさい。続きがとても気になります。更新頑張ってください。 (2021年1月30日 9時) (レス) id: 4977de0b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅坂紅子 | 作成日時:2016年2月14日 1時