sacrifice〜23 ページ27
冬を、待ち焦がれた。
「きれいなんだよ」と母が言っていた冬という季節を。
愛を丁寧に丁寧に包んで、温めておいた。
またあの人に会えた時、冷えて冷たくならないように。
私の心臓はかろうじて規則正しく脈を打つ。
いつ止まるか分からない博打のような人生に、娘は光を与え、彼の言葉は希望を与えた。
___ 時間なんてすぐに過ぎるものだ。
来てほしくないとどれほど願っても、時間というものは不可抗であって立ち向かうことはできない。
一日、一日が重い。
結局いいプランなんて思いつかなかった。
エヴァの操縦感覚を取り戻すので精一杯。
アスカの補助を私とマリで引き受ける。
マリは遠方から射撃で援護、私は中近距離にスタンバイ。状況によって最善の行動を執る、とのことで落ち着いた。
あちら側の決行日は12月25日だということが判明し、私たちもそれに合わせて調整を行う。
皮肉なことに、「聖なる日」というものがその日な訳だ。本来ならその日は冬で、もっと寒かったわけだ。14年前なんか、何度その日が来ても暑かったのをよく覚えている。
目の前には雪景色ではなく紅い海が広がっているわけだけれど。
私の息が続くまでに、その雪を見てみたかった。
「…私が死んだら、天国に行けるのかな」
執務室の中、ふと呟いた。
すると私の血圧を測っていたコズエさんは物凄い形相でこちらを向いた。
「なんてこと言ってるの。縁起の悪い。
…神様はあなたを見てる。そんなこと言ったらだめよ？」
そう言って笑った。
つられて私も笑ってしまう。
「天国に行く日がいつか来たら、その時は雪景色を見たいな」
「天国はお花畑って聞くけどね」
「そうとも限らないんじゃ」
窓の外を遠目に見ながら、私は続ける。
「私はあの人のところに行きたい。この命が尽きるまであの人にずっと添い遂げたい、って…でもそれは、キィに一生残る傷をつけること。苦しめること。だからそれもしたくない。いったい私は、何をしたいんだか」
難しい選択だ。
選ばなくていいなら選びたくない。だが選ばないといけないもの。
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茉莉 - めっちゃ最高です！更新楽しみです！頑張ってください((๑•̀ㅂ•́)وｶﾞﾝﾊﾊﾞﾚ~!!! (7月30日 19時) (
レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 続きがテニスの王子様めっちゃ気になります！ (6月22日 19時) (レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 読みました！ (6月22日 19時) (レス) @page36 id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
かずほ(プロフ) - 初めまして！昨日、シンエヴァ見に行って再び エヴァ 火付いてしまいましたw カヲルくんのとこ泣きました！ こちらの夢小説シリーズ読ませて頂きました！更新楽しみにしてます！ (2021年3月19日 19時) (レス) id: 4ea2670edc (このIDを非表示/違反報告)
RUKA(プロフ) - 長々とコメントを書いてしまい、ごめんなさい。続きがとても気になります。更新頑張ってください。 (2021年1月30日 9時) (レス) id: 4977de0b73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅坂紅子 | 作成日時：2016年2月14日 1時
