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sacrifice〜10 ページ14

全ては、愚かな大人たちのせい。


私が生まれるずっと前から、運命を仕組まれている。

運命を仕組まれた人間たちが、一般市民の幸せの代償を受け持っているのをきっと人々は知らない。

私達は生け贄だ。

その運命は今も伝播し続ける。

本当は今、こうやって娘を抱きしめる資格なんてないのかもしれない。



_______EVAさえ無ければよかったんだ。



EVAのせい全てが狂った。

EVAさえ無ければ日本に来ることもなかった。

あの人に出逢うこともなかった。

あの人を愛してしまって、娘がここにいて、死ぬに死ねないなんてこともなかった。

なんて薄幸な人間だ。



挙句に娘は父親に碌に会わせやしない酷い母親の元に生まれてきてしまったのだ。

おまけにその母親の命はもう長くない。


私は幼い娘の幼少期をこんな狭い箱庭で、しかも人並みに甘えさせることもできずに過ごさせている。

紛れも無い。
それが現状だ。




そんな私が唯一してやれることと言ったら、父親に会わせるのが最良。

だから碇シンジが目覚めた今、何としても彼をNERVに渡すわけにはいかない。

ややこしくなる。

もしそうなったとしたら、嫌な予感しかしない。














その矢先だった。

ヴンダーにEVA Mark.9 仮称、綾波レイが来た。

それで、碇シンジが向こうに行った。

偶然私はそれに立ち会っていて、おまけによりによって葛城大佐はDSSチョーカーの引き金を引き損ねた、というわけだ。



想像通り、嫌な感じだ。


「ふざけるんじゃ無いわよ。」


目前には大きく開いた穴。
その側で私は思い切り壁を殴りつけた。


立ち尽くす大佐、副長、鈴原少尉。


私が感情的になるのなんて、久しぶりのことだ。


「私、もう行くので」


どこに行くのか。


考えもしていなかった。
歩くのも嫌になって、廊下の途中にある未使用の会議室に吸い込まれる。




誰もいない会議室で一人、窓の向こうを眺める。


そして目に映すことすら出来ない、愛しい人を思い続ける。



(どうか、馬鹿な真似だけはよして。
今すぐキィとそっちに行く…)



決めた。キィをあの人の元へ連れて行く。
それが一番なら、やればいい。
簡単なことだ。


私は急いで自室にいるキィの所へ急いだ。

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茉莉 - めっちゃ最高です!更新楽しみです!頑張ってください((๑•̀ㅂ•́)وガンハバレ~!!! (7月30日 19時) (レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 続きがテニスの王子様めっちゃ気になります! (6月22日 19時) (レス) id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
kaori - 読みました! (6月22日 19時) (レス) @page36 id: 1907f3ec8e (このIDを非表示/違反報告)
かずほ(プロフ) - 初めまして!昨日、シンエヴァ見に行って再び エヴァ 火付いてしまいましたw カヲルくんのとこ泣きました! こちらの夢小説シリーズ読ませて頂きました!更新楽しみにしてます! (2021年3月19日 19時) (レス) id: 4ea2670edc (このIDを非表示/違反報告)
RUKA(プロフ) - 長々とコメントを書いてしまい、ごめんなさい。続きがとても気になります。更新頑張ってください。 (2021年1月30日 9時) (レス) id: 4977de0b73 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅坂紅子 | 作成日時:2016年2月14日 1時

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