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「おや、赤井君はまだかね」
室内を見渡すなり、そう呟くジェイムズ・ブラック。どうやら、もう一人のメンバーはアカイというらしい。“アカイ”というのがファミリーネームならば、語感からして日本人だろうか。
何気なしに問いた。
「Mr.ブラック、その“アカイ”という方が最後のメンバーですよね」
「ん? ええ、そうですよ」
「どういった方なのですか?」
「彼は……」
ジェイムズ・ブラックが口を開いた刹那、扉がノックされる音が聞こえ、そして新たに男性が入室してきた。その“アカイ”という人物であろう。
どういう人物なのかと身構えるが、どこか既視感ある容姿をしている。
少し癖のある黒髪にグリーンサファイアの瞳、そして__
「失礼します」
__一聴すれば忘れることのない、あの奥深い独特の声。
朝に出会い、オフィスへ向かう途中に見かけた、アジア系の彼であった。彼が同じチームのメンバーというのも、また妙な縁を感じる。
そんなことを考えていれば、ふと、彼のグリーンサファイアと目が合った気がした。
「……全員、揃ったようだね」
彼の姿を確認したジェイムズ・ブラックは、一度頷いてからそう言い放った。
* * *
「改めて、ジェイムズ・ブラックです。この特別捜査班のリーダーと任務上の指揮を務めます。今回は簡単に、主な役割の確認をしましょう」
メンバーが揃い、それぞれが着席したところで、ジェイムズ・ブラックは話し始めた。
席は、会議室によくあるような、U字型のデスクとパイプ椅子である。
「まず、交通警備課から、アンドレ・キャメル君」
「はい」
「貴方は、移動手段の手配をお願いします」
「了解です」
「次に、刑事部から、赤井秀一君。君は潜入捜査を。そして地方捜査部のジョディ・スターリングさんは、赤井君のサポートを」
「了解」
「わかりました」
彼……“アカイ”、否、赤井秀一は、名前からして日本系の人であるらしい。
「最後に、サイバー犯罪対策課から、小栗Aさん。貴女は、情報の管理と収集を」
「はい」
「それから、このチームの副リーダーを務めてもらいます」
「!?」
情報系の仕事であるとはわかっていたが、兼任して副リーダーとは。
これには、流石に驚きを隠せなかった。
「まさか、聞かされていなかったのかね?」
「……ええ、初耳です」
私が副リーダー。
そもそも、有り得る話ではなかろう。
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サブとバラ(プロフ) - 紅茶様、バニラ様、コメントありがとうございます!お待たせいたしました!本日より更新をスタートいたしますので、どうかこれからも応援よろしくお願いします! (2021年4月1日 10時) (レス) id: 4ca3bc2d2a (このIDを非表示/違反報告)
バニラ - こ…こんなところで更新停止…続きをお恵みくださいm(_ _)m (2021年3月31日 10時) (レス) id: 09cbde2c1f (このIDを非表示/違反報告)
紅茶 - めちゃくちゃどストライクに好きです!更新楽しみに待ってます! (2020年7月26日 14時) (レス) id: 10496758d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サブとバラ x他1人 | 作成日時:2020年2月9日 0時