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「君はただの中学生です。しかし、私を殺すという目的のある暗殺者でもある。目的さえあれば、君は何者にだってなれるのですよ。頑張って下さい、小栗さん」
いつかの恩師・殺せんせーは言った。
先生、私は貴方と盟いました。人々を救う為にFBI捜査官になる、と。
天国であぐり先生とご一緒に、どうか見守っていて下さい。
私が其方へ向かう、その日まで……。
* * *
恩師を殺し暗殺教室を卒業後、私は直ぐに渡米。高校へは進学せずにマサチューセッツ工科大学へ飛び級入学を果たし、工学部サイバー情報技術学科にて四年間の勉学を経て学士号を獲得、卒業した。工学部では首席合格だった為に学科の教授から誘われ、三年間ハイテク関係の専門職に従事。その間にアメリカ国籍及び自動車運転免許を取得。
そして現在、狭き門の試験を難なく潜り抜けた私は、晴れてFBI捜査官となった。希望通りのサイバー犯罪対策課である。
合格の知らせを受けたとき、思わず感涙に咽いでしまった。遂には此処迄来た、という達成感で。
だが、此処が私のスタートラインだ。これからなのだ。私は此処で、恩師との約束を果たさねばならない。
* * *
新人のFBI捜査官として数ヶ月、配属先の課はコンピュータを多く利用するのでオフィスは薄暗く、しかしブルーライトが所々に点滅している、言ってしまえば陰気な空気で少々不気味だ。しかし、私としてはこういった雰囲気に落ち着きを感じるので、仕事場として最適である。
ブルーライトカット眼鏡の縁を左手で持ってかけ直し、それからPCのキーボードへと戻した。
FBIは常に人手不足。特に、このような技術的人員は少ないので、新人と言えど易しい事案の内容は然程多くない。要するに、PC・タブレット画面と四六時中睨めっこしているのである。
目を休める為少しの間瞼を閉じ、小さな息を吐いた。そのとき、デスクから細かな振動を感じとる。スマホのバイブレーションだった。仕事中はマナーモードが基本であるから、メッセージの通知や電話の着信は全て、今のようにバイブレーションで伝わるように設定してある。
仕事関係の通知は目の前のPCまたはタブレットに受信する筈なのでプライベートの類いだろう、と推量、電源ボタンを押しスマホを起動させた。
再び視界に広がるブルーライトに多少の煩わしさを覚えるが、しかしそれを視認するなりそんな負の感情は何処かへ霧散していった。
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サブとバラ(プロフ) - 紅茶様、バニラ様、コメントありがとうございます!お待たせいたしました!本日より更新をスタートいたしますので、どうかこれからも応援よろしくお願いします! (2021年4月1日 10時) (レス) id: 4ca3bc2d2a (このIDを非表示/違反報告)
バニラ - こ…こんなところで更新停止…続きをお恵みくださいm(_ _)m (2021年3月31日 10時) (レス) id: 09cbde2c1f (このIDを非表示/違反報告)
紅茶 - めちゃくちゃどストライクに好きです!更新楽しみに待ってます! (2020年7月26日 14時) (レス) id: 10496758d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サブとバラ x他1人 | 作成日時:2020年2月9日 0時