言葉なんかがなくたって【鬼滅の刃】

五つの質問 ページ20

Aside

カナエ｢今度こそ質問に答えてくれないかなー？
五つだけでいいの｣

ピーン.ᐟ‪

カナヲ｢この子、自分の声が嫌いだから出来るだけ話したくないらしいの、だから紙と筆を持ってきてあげて｣

カナエ｢分かったわ、少し待っていて
折角だからしのぶたちも連れてこようかしら？｣

と言ってカナエさんが出ていく

すかさず私は話しかける

『カナヲ、ありがとう』

カナヲ｢いいんだけど…呼び方……｣

『だって……』

し｢姉さん！声が嫌いってどういうことよ！｣

カナエ｢でもカナヲがそう言っているしね…｣

カナエさんの声が聞こえる

もう一人はしのぶさん？かな？

声が近づいてくる

もう話してはいられない

カナエ｢持ってきたわよ｣

｢じゃあ質問一つ目！名前は何か教えてくれるかしら？｣

『A』

カナエ｢苗字は？｣

私はもう｢時透｣ではない

でも苗字を答えなければ捨て子だとばれてしまう

咄嗟に思いついたのが━━━━━━━━━

『時雨(しぐれ)』

し｢ときさめ？｣

『いいえ、しぐれです』

カナエ｢次の質問ね！何歳なの？｣

『十一歳です』

ア｢カナヲの一つ下…｣

カナエ｢お家は何処？｣

『家出したので私に家はありません』

カナエ｢じゃあこれから一緒に蝶屋敷に住みましょう！
この髪飾りが家族の証、私も、しのぶも、アオイも、カナヲも…みんなつけているわ｣

えっ！家族って…

これでは何のために無一郎の家を逃げ出してきたのか分からない

取り敢えず髪飾りを受け取る

浅葱色と紺色の蝶の髪飾り

何処か無一郎と有一郎を思わせる色合い

あの家が恋しくなる

カナエ｢もしもーし、大丈夫かしら？｣

はっと我に返る

ア｢カナエ様、もう四つ質問をしていますよ｣

し｢姉さん、まさか四つ目の質問って…｣

カナエ｢多分しのぶの予想通りよ
A、鬼殺隊に入隊しない…？｣

きさつたい？何の事だろう？

素直に疑問に思ったことを書く

『きさつたいとは？』

カナエ｢この世には、人間を主食とする鬼がいるわ
出自不明で傷もたちどころに治る
その鬼に、私たち鬼殺隊は色変わりの刀とも呼ばれる日輪刀で立ち向かう
失った手足は戻らないし、傷の治りも勿論遅いけれど、人々の幸せを守るために戦うの｣

『私、鬼殺隊に入ります』

カナエ｢危険な道よ、明日が約束される訳では無い
それでもいいのね？｣

『はい、生きている限り、誰でも明日は約束されていない。だったら人の役に立ちたいわ』

蟲の呼吸→←カナヲ

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