言葉なんかがなくたって【鬼滅の刃】

名前と家族 ページ12

無「そういえば名前、なんていうの？」

『……』

無「やっぱりダメかぁ。さっきから全然答えてくれないんだよ」

有「もうさっきじゃないだろ」

母「耳が聞こえないのかもしれないわ、紙に書いてみようかしら」

と言って部屋の奥へと行ってしまった。




しばらく経って戻ってきた。

紙には

『名前は何ですか？』

と書かれていた。




今まで、答えようだなんて思わなかった。



でも、今は違う、

こんなに優しくしてもらえるなんて思ってなかった。

無一郎達と一緒にいたい。


でも、名前がわからない、どんなものなのかが。

だから紙にはこう書いた。


『耳は聞こえています。名前とは何でしょう？』

有「こいつ、名前が何かも知らないのか」

有一郎は呆れている。

無「うーんとね。名前っていうのは……
僕だったら無一郎、兄さんだったら有一郎っていう呼び方のことかな」


なるほど、理解、理解



でも、そんなもの私にはない。


『名前が何かはわかりました。でも、私には名前がありません』

無「えっ！名前がない人なんているの？」

有「親に大切にされなかったんだろ」

無「じゃあ付けてあげよう！鈴香……麗奈……華……
違うなぁ、A、Aにしよう！」

母「いい名前ね。今日からあなたは時透A、私たちの家族よ！」

有「ちょっと母さん何言ってんn「やったー！」おい！」


父「A、何歳なんだ？」

有「ちょっと父さん。





もういいや」

『10歳です』

有「ふーん、俺たちの1歳年上なのか。意外だな」

無「やったー！お姉ちゃんだー」

父/母「Aよろしくな/ね」

私の心はポカポカしていた。

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