出会いの入学式 ページ1
Aside
『ハァッハァッハァッ…』
息を切らしながら、今日入学する岡崎城西高校の校門を目指す。
やばい…30分の大遅刻。
目覚まし時計が壊れてて、しかも今日は母さんや父さんは早出の日。
幸い、家はさほど遠くない。
だけど間に合ってないことは事実。急がなきゃ。
『やばいやばいやばいやばい』
今の時刻は午前8時5分。
始業時間が8時半だから、あと25分ちょっとくらいしかない。
慌てて学校まで急いでいるとどこからか私を呼ぶ声が聞こえた。
し「おーい!Aー!!」
その声の主は、私の小中からの幼馴染の柴田祐輔。
自転車に乗っているが、めちゃくちゃのんびりしている。
大丈夫なのか()
柴田は笑顔で私に手を振ると自転車から降りて
し「おはよう!」
と言ってくれた。
『おはよ!それよりさ、早くしんと遅れるよ?』
そういうと彼は
し「いいのいいの。それより!一緒に行こうよ!」
早く乗れ、と言わんばかりに自転車の荷台をぽんぽんと叩く。
いや、でもちょっと待て。
普通にニケツするやんこいつ。
さすがの私もそれはダメだと思い、抵抗してみた。
『ニケツは危ないよ、それに早く行かんと』
し「そういうと思ってたよ…でもね?」
し「ニケツした方が早く学校に着くよ?いいの?絶好のチャンスだよ?」
なんてニコニコしながら言ってくるもんだから、私はついにニケツすることを決意した。
『…先生に呼び出しくらっても私は知らんからね?』
し「え!?良いの!?」
し「そうと決まれば!!全速前進!!」
と、私を自転車に乗せて勢いよく走り出した。
・
・
・
『ありがとう柴田!』
し「いいってことよ!」
柴田が乗せてくれたおかげで8時15分に着くことが出来た。
車くらいの速さで自転車を漕いでくれたので隣にいる柴田の顔は汗まみれ。
『ってか大丈夫?wすんごい汗なんだけどw』
持ってたペットボトルの水を柴田に渡した。
し「良いの?俺飲むよ?」
関節キスになるよ?なんて言うこの男。
『いいよ別に。あんまり気にしないし』
し「んじゃ、いただきまーす」
すごい勢いで柴田の口に吸い込まれていく水たち。
ものの一瞬で500mlの水が無くなってしまった。
『よし、じゃあ行こっか』
し「おう」
水分補給も済んだので二人で一緒に入学式の会場へと足を運んだ。
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作者名:にこまる | 作成日時:2021年8月11日 20時