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それは小学校3年生になった春やった。


たまたま君と一緒に下校した時の事。




2人で下校するのは久しぶりで、


学校で話すことはあっても

周りに誰もいない状態で2人きりになる事はココ最近あまり無かったので


少し緊張している自分がいた。





『なん、か…久しぶりやね。』


「えっ、あぁ…せやな。」




いつもなら緊張なんてせんはずなのに、


心臓が外まで聞こえるんちゃうかってくらい音を立てる。


むず痒かった。




『…望くん、今日の体育、かっこよかったね。』


「え?」


『足、速いね。』


「そう、かな。」


『…うん。すごく、かっこよかったで?』


「あ、…ありがと。」





その日は体育で体力テストをした。

きっと彼女が言ってるのは50m走のことやと思う。

クラスで1番とか、そういう訳では無かったんやけど、一緒に走った5人の中では1番速かってん。


それはきっと、君のおかげ。



君が、走る前に頑張ってね、って言ってくれたのがほんまに嬉しくて。


かっこいいところ見せたくて。




ほんまに君にゾッコンやったんよ。


君のためならなんだって出来る気がしとって。


小学生とか、そういう時期ってみんな恥ずかしがって、周り気にして。

好きな人のために全力になるとかちょっと躊躇うような時期かもしれへん。


でも俺にはそんな時期はなかった。


いつだって君に全力やった。


全力で君を好きになっていた。



でも、この気持ち、結局ちゃんとは、君に伝えて無いよな。





「あの、さ。」




ほんまのこと言うと、ド緊張しとった。


聞きたいことあってん。


でも聞いたらあかん事なのかなとか、

言いたないって言われたらどうしようとか、


不安なことばっかり考えてもうて。


情けないよな。





『ん、?』


「その…なんで、なん?」


『え?』


「なんで嫌なん?…その、えっと…」


『なんの事?』


「そのっ…サッカー、とか。鬼ごっことか…ほんまは俺、Aちゃんと一緒に遊びたいねんっ…色んな、事して…」


『………』


「何が、その…嫌、なん、…?」


『……ごめん、望くん…』


「いや、ちゃうねん、謝って欲しいんやなくてな…?」





しどろもどろな俺の言葉に、困り顔な君。


そんな顔して欲しい訳ちゃうねん。


俺は、ただ、理由が知りたいだけやねん。



それをそのまま言えばいいのに、


やっぱり俺の口から出る言葉は、

ぐちゃぐちゃで

君を困らせるばかりだった。

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#TODAY(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます!春風のように優しくて暖かいお話になるように頑張ったのでそう言って貰えてとても嬉しいです!! (2022年1月11日 12時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 素敵なお話で心があったまりました♡違うお話も読ませていただきます(*^^*) (2022年1月11日 0時) (レス) @page46 id: 57a21b061a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:#TODAY | 作成日時:2021年7月30日 23時

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