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結局麦わら帽子はそこまで遠くには飛ばされずに済んだ。



俺は駆け足でその麦わら帽子を取りに行って

近付くのを躊躇っていた君の元に走った。





「…はい。どうぞ。」


『のぞむくん…ありがとう…』




君を囲んでいた白くて丸い花は

近くで見ると思っていたよりも小さくて、可愛かった。



ふと君の手元を見ると、

その白い花を沢山持っていて、何かを作っていた。





「それ、なに?」


『…これは、しろつめくさ。』


「しろつめくさ?なにつくっとんの?」


『…はなかんむり。…いっしょに、つくろ?』


「…うん。」





白詰草の花冠。


初めて聞いたそれが何か、俺は分からなかったけれど

君に教えて貰いながら初めて作った。



まぁ、完成したものは見るに堪えない程ぐちゃぐちゃやったけどな。


君が作った方はまん丸でとても綺麗やった。




作っているうちにさっきの喧嘩の空気は無くなって


その空間がこれでもかと心地よかった。





「なんでそんなにじょうずにつくれるん…」


『…んー、これ、つくるの、すきやねん。』


「へぇ〜」


『のぞむくんもたくさんやれば、きれいなのつくれるようになるよ!』


「なるかな…」


『…せやから、さぁ。これからもいっしょに、やりたい。』


「…え、?」


『のぞむくんといっしょに、はなかんむりつくりたいねん。…あかん、かな、?』


「…ううん!やろ!いっぱいつくろ!」


『うん…!』





花冠なんて男の子らしい遊びではないよな。


でも、君と一緒に作る花冠が、俺にとっては特別やってん。




それから君が作った綺麗な花冠と、

俺が作った不格好な花冠を


お互い交換して、頭に乗せて。




白詰草の真ん中で、お互い手を繋いで、


先生に写真を撮ってもらった。




頭には白詰草。


左手首にはたんぽぽ。


足元にも白詰草。




不思議な構図やね。

でも、この写真、好きやねんな。



俺も君も楽しそうでさ、


青すぎる空とか

真っ白の君とか

照れすらも知らない万遍の笑みとか。



あの時だけの瞬間で

もう二度と帰られへん時間。





ずっと部屋に飾ってある。


大切な、1枚やねん。

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#TODAY(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます!春風のように優しくて暖かいお話になるように頑張ったのでそう言って貰えてとても嬉しいです!! (2022年1月11日 12時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 素敵なお話で心があったまりました♡違うお話も読ませていただきます(*^^*) (2022年1月11日 0時) (レス) @page46 id: 57a21b061a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:#TODAY | 作成日時:2021年7月30日 23時

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