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着々と進んでいく彼女の花冠。
それに比べて、
動揺と焦りで雑に組まれていく俺の花冠。
勝負、ありやな。
『難しいね。』
「………」
『何もかも。難しすぎんねん。』
「何もかも…」
『滑り台。覚えとる？』
「幼稚園の？」
『そう。』
「覚えとるよ。そこでAちゃんが俺の事助けてくれたんやん。」
『…そう、だよね。望くんにとっては、そうかもしれへん。』
「え、どういう事？」
『…あの日、私ね、？…滑り台滑りたかったの。でも、人気で、沢山人がいて。…滑ろうとした時、他の子に服引っ張られて、階段から落ちたんよ。』
「え！？」
『それで怖くなって、木影で1人で居て。そしたらだんだん人が減ってきてさ、誰も居なくなったら滑ろうと思っとったのに…望くんだけずっと滑ってて。』
「…うん、1人でずっと滑ってた。」
『…それが、嫌やった。私も滑りたいのに、独り占めしてる望くんが、嫌やってん。』
「そうやったん…？」
『そう。それで、心の中で、いなくなれって唱えてて。…そしたら目の前で転けんねんもん！』
「そんな事唱えとったん！？」
『私のせいだ！って、すっごく罪悪感に襲われて。それで、望くんに恨まれないようにってたんぽぽあげた。だからあれは、償いやねん。』
「…償い…」
『…望くんには、優しい子に見えたかもしれへん。せやから次の日も私と遊んでくれたんやろ？せやけど私は、内心怯えてた。いつか唱えてた事がバレるんやないかって。怒られるんやないかって。だから、望くんの誘いにはできるだけ答えようとしてた。』
「で、でも笑っとった…」
『笑ってたかもね。…作り笑い。』
「えっ…」
『でもね？段々と、あぁこの人はホンマに私の事友達やと思ってくれてんねやって分かってきてん。せやから、私も段々と望くんと一緒にいるのが楽しくなってさ。せやから、作り笑いは最初だけ。』
「そっか、…良かった。」
記憶が蘇る。
蘇るはずなのに、それは、何故か不確かで。
鮮明に残っていた記憶は
あまりにも鮮明過ぎた。
彼女の言葉や表情一つ一つまで覚えている。
そんな事、ありえへんのに。
1度そう思ってしまったら
戻りたくても怖くて振り返りられへんかった。
背後で、記憶が崩れる音がする。
冷たい汗が流れた。
ホンマに、俺は
君と会いたかったん？
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#TODAY(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！春風のように優しくて暖かいお話になるように頑張ったのでそう言って貰えてとても嬉しいです！！ (2022年1月11日 12時) (
レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 素敵なお話で心があったまりました♡違うお話も読ませていただきます(*^^*) (2022年1月11日 0時) (レス) @page46 id: 57a21b061a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#TODAY | 作成日時：2021年7月30日 23時
