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「会いたかった…!」


『私も、会いたかったよ。』


「ずっと、ずっと会いたくて…」


『望くん、頑張ったね。』


「え…?」


『こんなに人気者になって。…凄いね!!』


「Aちゃんっ………ほんま、どこ行っててん…」


『えっ、ごめん!…トイレ行ってた……』


「え?」


『え…?』





パッと顔を上げた彼女は


驚き、申し訳なさそうな顔で俺を見上げた。




それに思わず吹き出してしまった俺。





『えっ、何!なんで笑うん!?』


「いや、ちゃうねんって、」


『何が?え、どういう事…?』


「はぁ〜ぁ…もう、…変わらんなぁ。」


『…ん?』





腕の中にすっぽり収まる彼女が


この上なく可愛く思えてしゃあない。




あの頃よりも大人になった体、

声、

顔。


全部、俺の知ってる彼女とは少し変わっとるはずなのに



全部、俺の知っとるあの頃のままな気がする。





同じ目線で笑ってたあの頃も良かったけど


今でも身長差はあるものの


喋る目線は変わらん。



あの頃のままや。





「あ、せや。体大丈夫なん?医務室って…」


『あ〜うん、もう大丈夫やで。ちょっとクラって来てもうて笑』


「大丈夫なんそれ!?ちょ、座ろ…」





彼女を支えながらひとつだけあるベッドに腰かけると

大袈裟やな〜って笑っとった。





『あ、ねぇなんで私が医務室に居るの分かったん…?』


「あぁ、なんかAちゃんの隣におった2人組の女の子達が画用紙に、たんぽぽ 医務室!って書いて掲げてくれとって。」


『そうなん?…お礼言わな…』


「友達?」


『いや、今日初めて会った。ライブ始まる前から仲良うしてくれて。…ライブ来るの…初めてやったから。』


「そう、なんや。」


『ホンマに優しい人らやった。色々教えてくれてね。……まぁ、望くんがMCでたんぽぽの話始めてすぐ、私の事って気付かれてもうたんやけどね。笑』


「え、そうやったん…?」


『うん。それでも仲良うしてくれたし、なんなら気遣ってもくれて。そのたんぽぽの時計、隠しときなって。…倒れた時も、その子たちが好きなメンバーさん近くに来とったのに、そっちのけで私の事支えてくれて、スタッフさんも呼んでくれて。』


「優しいな。」


『そう。すごくね、やさしかった。』





噂をすれば影。



と言うやつやろうか。




ゆっくり開いた医務室の扉に思わず身構えたが


そこから覗いた顔は

俺と彼女の命の恩人やった。

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#TODAY(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます!春風のように優しくて暖かいお話になるように頑張ったのでそう言って貰えてとても嬉しいです!! (2022年1月11日 12時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 素敵なお話で心があったまりました♡違うお話も読ませていただきます(*^^*) (2022年1月11日 0時) (レス) @page46 id: 57a21b061a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:#TODAY | 作成日時:2021年7月30日 23時

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