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その日から君と俺は毎日遊ぶようになったな。
最初の頃はそれこそたんぽぽを左手首に結ぶために2人で園の端っこにしゃがんどったけど、
3日もすればそこにあったたんぽぽは全部摘まれてしまった。
それからは園の中を散策して、4日くらいはたんぽぽ探しだけで十分楽しめたっけ。
でもやっぱり、毎日たんぽぽを見つけて、それを手首に巻いて、
そんなのを続けていれば俺らの幼稚園からすっかりたんぽぽが消えてもうた。
いや、ほんまはもう一本あってん。
でも、君がそれを摘むのをやめたんやったっけ。
その花が大人になって、綿毛になって、
たくさんの種を飛ばしてくれる。
そうすればまた次の春に沢山のたんぽぽが咲くから、
だからこれを摘むのはやめようって。
その時から君は大人やったな。
そんな君に対して俺は、そんなこと一切考えずに摘もうとしとったわ。
君はお花を見るのが好きやった。
あと、お絵描きと折り紙。
鬼ごっことか、鉄棒とかは好きやなかった。
俺も鬼ごっことかしたかったから君と遊ばない日もだんだん増えとって。
それでもやっぱり、君が好きやったんよ。
何回も外で遊ぼうって誘ったのに、全然遊んでくれんくて。
悲しかったな。
今になって思えば、自己中やったよな、俺。
なんも知らんと、強引に誘ってさ。
君に言ったら、しょうがないって言うやろうけど、
ごめんな？
あの時もそうやったっけ。
幼稚園年中の時の遠足。
春の日。
お弁当持ってさ、みんなで近くの野原に遊びに行った時。
初めて君の事を泣かせてもうたよな。
その日はほんまに天気が良くて、
絶好の遠足日和やった。
真っ青の空。
高い所から俺らを照らす太陽。
春の香り。
君と手を繋いで前の人に遅れないように歩く道。
君はまだ春やと言うのに鍔の広い麦わら帽子を被っていた。
麦わら帽子もそれなりに白かったけれど君の肌の方が白かったから、麦わら帽子はほんの少し、黄色く見えた。
君の右手と俺の左手は1度も離れることなく目的の野原までやって来た。
もちろん、お互いの左手首には黄色い花が結んである。
君が1年前に言うた通り、今年の春にも園内にたんぽぽが咲いた。
それも、去年よりも多く。
それが嬉しくて、毎日君とたんぽぽ探しの旅に出とったっけ。
君も、毎日嬉しそうに結んどった。
春限定の、おまもり。
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#TODAY(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！春風のように優しくて暖かいお話になるように頑張ったのでそう言って貰えてとても嬉しいです！！ (2022年1月11日 12時) (
レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 素敵なお話で心があったまりました♡違うお話も読ませていただきます(*^^*) (2022年1月11日 0時) (レス) @page46 id: 57a21b061a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#TODAY | 作成日時：2021年7月30日 23時
