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17. ページ17

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昔よりも大きな花冠を作らなくちゃ行けなくなってしまった。




そんな事を思いながらも黙々と作業する。


ふと手の中に収まる花々を見て、スっと我に返った。




被る前提で作っとるやん、俺。笑



花冠を作りたくて始めたけど、

被りたかった訳では無い。




そもそも25歳にもなって花冠を被りたいとは思わん。



けれど、子供の頃より大きい冠を無意識に作っていた自分に、思わず笑ってしまった。




何やってんねやろ、俺。




新たに摘もうとしていた花から手を離し、

端と端を繋ぎ合わせた。




ブランクが空いたとはいえ、

あの頃作りまくっていた冠。




割と綺麗に出来た気がする。




周りを見渡すと、他のメンバーも完成しつつあるようやった。





「すみません、沢山撮ってくださって…」


「いえいえそんな、小瀧さん花冠作るのお上手ですね!」


「昔仲良かった子に教えて貰ったんです。物凄くスパルタやったんで。笑…でも、ほんまに楽しくて。」


「素敵な思い出ですね。」


「はい。笑」


「せっかくですから、皆さん自分の作った冠被って写真撮りましょうか。」


「そのショット要ります?笑」


「せっかくですから…!笑」





スタッフさんとカメラマンさんの提案により

各自、自作の花冠を被って集合写真を撮ることに。




その前に、と7つの花冠だけのショットも撮った。



そりゃ、俺以外初心者なんやから当たり前ではあるけれど

並べた事により更に怖い程引き立つ、俺の冠の綺麗さ。




あの頃は無意識やったのに、


俺はいつの間にか花冠エキスパートになっとったみたいやわ。





それから花冠を被った男が7人で並んで座り、


ニコニコ笑顔で写真を撮った。




休憩時間なんてとっくに終わっとるのに

編集者の方が花冠を異様に気に入ったらしく

予定を変更して、花冠を使ったショットを多く撮る事に。






段々と日も落ち始め


撮影やインタビューなど、仕事も片付いて来た頃。




花冠はそのまま捨ててしまうのも勿体なかったので

近くで遊んでいた子供達にプレゼントした。



有難い事に、俺のが1番人気やったわ。



Aちゃんに感謝やな。





子供達の喜ぶ顔。



メンバーが笑う顔。





単純に、幸せやなって感じたんよ。



ほんま、単純やな。






せやから、願ってもなかった。





ふと吹いた春風。




君とたんぽぽの香りがした。

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#TODAY(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます!春風のように優しくて暖かいお話になるように頑張ったのでそう言って貰えてとても嬉しいです!! (2022年1月11日 12時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 素敵なお話で心があったまりました♡違うお話も読ませていただきます(*^^*) (2022年1月11日 0時) (レス) @page46 id: 57a21b061a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:#TODAY | 作成日時:2021年7月30日 23時

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