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重い扉が音を立てながらガチャリと開き
Aと職員さんが部屋に入ってきた。
いつも茶髪の職員さんは
Aがちゃんと部屋の中に入ったのを確認してから扉を閉めるのだが
細身の職員さんは
Aが部屋に入ってからも
扉に片肘でもたれ掛かりながら、中の様子を眺めていた。
「なにか、用ですか？」
「ん〜？…いやぁ、ね。」
『…え？笑』
この職員さんとこんなに話したのは今日が初めてや。
茶髪の職員さんみたいに軽く淡々と話すわけでも
ガタイのいい職員さんみたいに明るく優しく話すわけでもない彼。
いつもは1歩引いて僕らを見ている。
笑った顔なんて見たこと無かった。
意外と声は低くて落ち着いとるけど
話し方からなのか、
その微妙に抑揚のある声には
不気味さを含んでいる。
この人やったよね？
「はまちゃん」って呼ばれとる職員さん。
なんでそう呼ばれとるのかは分からんけど
僕にはそんな可愛いあだ名で呼ばれるような空気は感じ取れんかった。
「…壁も、床も、天井も、白くて目がチカチカするわ。」
「…ならそんなにジロジロ見なければいいじゃないですか。」
「この部屋、元々なんの部屋やったか知っとる？」
『元々？』
「そう。智洋が来るずっと前。元はこんな部屋やなかったんよ。いつやったっけなぁ〜…改装してさ。」
「職員さんってそんな前からここにおるんですか？僕もう17ですよ？」
「…ん〜？笑…うん、せやなぁ…もう長らく。」
『何歳なんですか？私てっきりまだ20代なのかと…』
「そーんな若ないわ。」
「で、ここ、なんの部屋やったんですか？」
「え？笑…知りたいか？」
「はい。」
『私も知りたいです。』
この時、職員さんは何を考えていたんやろ。
何を思って、その事を僕らに言うたんやろ。
「拷問部屋。」
「………ぇ、」
「悪い事した子供たちをこの部屋ん中に閉じ込めて精神的に、身体的に、…壊してくねんな。」
『…そ、んな…』
「信じられへんか？笑 そりゃ信じられへんよなぁ〜。…智洋もAも、悪いことせん方がええで？笑…この部屋には沢山の子供たちの叫び声と消えた命が染み付いとるからな。」
職員さんはそう僕らに告げ
部屋を出ていった。
「あと、りんごって女やけど、この部屋出てった2日後に自害して死んどるで。…死体だらけの部屋には耐えきれんかったみたいやわ。」
そう、言葉を言い残して。
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#TODAY(プロフ) - キャラメルさん» 初めまして！！読んでくださってありがとうございました！他には無い話を書きたくてだいぶファンタジックになってしまいましたが、難しくは無かったでしょうか…(汗)Shadowsを聴いた時はこのお話を思い出して下さったら幸いです。他の作品も頑張ります！！ (2021年12月31日 21時) (
レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル(プロフ) - #TODAYさん初めまして！この作品の世界観にぐっと引き込まれてしまい、思わず感想を伝えたくてコメントさせて頂きました！！！最後の方は読みながら本当に泣きそうになりました！他の作品も読ませていただきます！最高の作品に出会えたことに感謝します！ (2021年12月31日 13時) (レス) @page35 id: 826f2c597b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：#TODAY | 作成日時：2021年9月15日 16時
